95歳のTikToker・ツムツムおばあちゃん モットーは「ケセラセラ」

2025/10/02 07:45 

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 群馬県渋川市在住の上村昌子さん(95)はパズルゲーム「ディズニーツムツム」で高得点を出すゲーマー。動画投稿アプリTikTok(ティックトック)に11万人超のフォロワーがいる。ニックネームは「ツムツムおばあちゃん」。世界中のファンから「元気づけられる」と人気のTikTokerを訪ねた。【庄司哲也】

 タッチペン2本を駆使した「二刀流」で、ツムツムの高得点をたたき出すTikTokの動画再生回数は1200万回超。「おばあちゃん、すごい」などと各国の言葉でコメントが寄せられている。

 TikTokは、2024年11月から始めた。英国に留学していた姪孫(てっそん)から連絡があった。「おばあちゃんが、こっちでバズっている」。実は話題となっていたのは「なりすまし」のTikTok配信者。当時、上村さんはユーチューブで配信していた。「それなら本物がやってみよう」と思い立った。

 同市内の小料理屋の5人きょうだいの末っ子として生まれ、23歳で結婚し、夫の太平さんと夫婦で酒屋を営みながら、2人の息子を育て上げた。ツムツムを始めたのは、86歳の時。太平さんがんで入院し、少しでも気を紛らわせるためだった。太平さんを亡くした後も、ツムツムは生活の一部になっている。

 「おはよう、ボンジュール、グッド・モーニング、グーテンモルゲン……」。毎朝のようにアップされる上村さんの動画は、各国語のあいさつで始まる。ゲームのほか、朝ごはんの用意など日常生活の様子をパソコン、スマートフォン、タブレット2台を駆使して配信。コメントへの返信もしている。

 日々の暮らしの中でも、意外なところにファンがいる。福島県に遊びに出かけたら、ファンに出会い、一緒にお昼を食べることになった。食べていると、また別の人に「ツムツムのおばあちゃんですか」と声をかけられ、お土産を渡された。

 90歳を超えて、急に忙しくなった。「一生懸命、応援してくれる人がいると思うと頑張らなくちゃ」とポジティブだ。コメントに相談が来ると「ケセラセラで行きましょう」と返信している。「私はいつもケセラセラ。なるようにしかならないんだから」。上村さんはそう言って、満面の笑みを浮かべた。

毎日新聞

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