津波の高さはどうやって測る? 気象庁が駆使するハイテクとアナログ

2025/10/26 16:00 

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 国内外で地震が起きた時、警戒しなければならないのが津波です。もし津波が発生して沿岸に到達すると、気象庁は津波の高さを発表します。海では普段でも波があるのに、どうやって津波の高さを測っているのかを解説します。

 Q 津波の高さってどうやって測るの?

 A 気象庁は、各地の沿岸にある「検潮所」などと呼ばれる施設で、波の高さを日常的に測っています。施設内には井戸があり、底に近い側面から外に出ている管が海までつながっています。このため、潮の満ち引きで海面が上下するのに合わせて、井戸の水面も高くなったり低くなったりします。ただ、井戸は囲まれているので、水面が普段の波の影響を受けにくいんです。

 Q そうなんだ。

 A 津波が来たら、それに合わせて井戸の水面も上下します。井戸の上部には電波を出して、水面で反射した電波を感知する装置があります。津波がない時と、津波が来た時では、電波が水面で反射して戻るまでの時間が異なるので、その差から津波の高さを割り出します。

 Q 海とつながった井戸がミソなんだね。

 A 電波ではなく、井戸に浮きを浮かべ、海面の動きに合わせて上下する浮きの動きを計測している所もあります。一方、井戸がない所では海面を電波で計測し、細かく上下する普段の波の影響を取り除いて算出しています。

 Q 東日本大震災では大きな津波が来たって聞いたよ。検潮所でも測れるの?

 A 大きな津波は、検潮所などに設置した「巨大津波観測計」で水圧を測定することで、高さを求めます。気象庁は全国各地の観測データを基に津波の高さを発表しています。

毎日新聞

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