旧統一教会の補償検討委 委員3人は橋下徹氏の弁護士事務所所属

2025/10/29 20:33 

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 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)は29日、献金や物品購入代の返金を求める元信者らに対する補償検討委員会を設置した。第三者の弁護士が独立した立場で補償の要否を決定するとしている。教団の勅使河原秀行・教会改革推進本部長は補償委の設置を受けて、教団として公式な謝罪を検討していることを明らかにした。

 旧統一教会を巡っては、解散命令請求の審理が東京高裁で続いている。高裁は来春にも判断を示す見通しで、教団側は解散を回避する有利な事情として補償委の設置を主張していくとみられる。全国統一教会被害対策弁護団は「(補償委は)教団との契約に基づいて設置された組織であり、教団との関係、独立性や公正性が不明だ」などとするコメントを出した。

 補償委は、橋下綜合法律事務所(代表・橋下徹元大阪府知事)所属の弁護士3人が委員となり、元衆院議員の若狭勝弁護士が参与として加わる。献金や物品購入の事実が分かる資料の提供を求め、申請者からの聞き取りなどを基に審査する。一定の蓋然(がいぜん)性が認められれば、消滅時効といった法律の枠を超えて補償する。申請は今月31日~2026年3月31日の予定で受け付ける。教団は補償委の判断を受け入れるとしている。

 勅使河原氏は報道陣の取材に対し、22年度以降に元信者らに965件約69億円の解決金を支払ったことも明らかにした。集団調停で成立した約13億円を含めると、元信者側への支払いは計約82億円に上る見込み。勅使河原氏は「補償と謝罪はセットだというのは理解できる。頃合いをみて(教団が)正式に謝罪をすべき時がくると思う」と述べた。田中富広会長の辞任を含む幹部の交代の可能性にも言及した。

 田中会長は23年11月の記者会見で「教団として過ちがあれば謝罪しなくてはならないが、被害者も被害金額も不明確」として「謝罪」という言い方を避けた経緯がある。【宮城裕也】

毎日新聞

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