開発許可外の森林を伐採、鴨川メガソーラー工事で行政指導 千葉
千葉県鴨川市のメガソーラー(大規模太陽光発電所)建設工事現場で開発を許可されていない区域の森林約1・5ヘクタールを伐採したとして、県は30日、事業者に工事の一時中止や森林の復旧などを求める行政指導をしたと発表した。事業者はウェブサイトで「一部誤伐採が確認された」と認め、一時中止を表明した。
県によると、行政指導は28日付。県職員が同日に現地を訪れ、環境保全の目的で伐採を認めていない2カ所の区域で計約1・5ヘクタールにわたり樹木が切られていたことを確認した。その場で工事中止や、森林の復旧計画書の提出などを求める指導書を事業者側に渡した。
事業主の「AS鴨川ソーラーパワー合同会社」(同市花房)は山林を開発し、47万枚の太陽光パネル(出力10万キロワット)を設置する計画を立てている。県は2019年、森林法に基づいて一定の森林を残すことを条件に、事業区域250ヘクタールのうち146ヘクタール分の開発を許可した。
AS社は今年5月に工事を開始。その後、県はAS社の報告などから、開発区域外でも樹木を伐採していることを把握した。開発区域とそれ以外の区域はくいで区切られているが、AS社側は県に対し「誤って(区域外の樹木を)伐採してしまった」と説明したという。
AS社は29日、ウェブサイトに工事の一時中止を知らせる文章を掲載。「今後は施工会社とのコミュニケーションをより丁寧に行い同様なことがないよう十分注意してまいります」とした。
熊谷俊人知事は30日の定例記者会見で、AS社が行政指導に従わなければ「森林法に基づく(開発の)中止命令などが可能になる」と強調した。災害防止や環境保全の観点から対応を検討するため、有識者会議を設置することを明らかにした。
県は24日に、盛り土規制法に基づく盛り土の安全基準などに適しているか確認するまで工事を一時中止するようAS社に要請していた。このときは現場に散乱する樹木の片付けなどは認めたが、今回の行政指導ではこれらの作業も一時中止するよう求めた。
◇「ルール厳格化を」
鴨川市のメガソーラー問題を巡り、登山家で環境保全活動に取り組む野口健さん(52)が30日に工事現場を視察した。建設に反対する市民団体「鴨川の山と川と海を守る会」の勝又国江代表(79)らから説明を受け、ドローンによる上空からの映像を確認した。
「現地に立って初めて恐ろしさを感じた」と野口さん。その上で「山の地形を大きく変えてしまう工事で欧州では許されない。再生可能エネルギーには反対しないが、ルールを厳格化し、違反した場合は強制的に工事中止命令が出せるようにするべきだ」と語った。
勝又さんはAS社を行政指導した県の対応に触れ、「書面による行政指導で、次は開発許可の取り消しにつながるかもしれず、一歩踏み込んだと思う」と述べた。【中村聡也、岩崎信道】
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