長浜・冷凍庫死体遺棄、3被告に執行猶予判決 裁判長「保身あった」

2025/10/30 20:46 

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 今年4月、滋賀県長浜市四ツ塚町の民家の冷凍庫から女性の遺体が見つかった事件で、死体遺棄罪に問われたアルバイト清掃員、野中秀紀(63)=堺市東区=ら3被告に、大津地裁(畑口泰成裁判長)は30日、いずれも執行猶予付きの有罪判決を言い渡した。

 野中被告は懲役1年、執行猶予3年(求刑・懲役1年6月)、民家に住み、死体遺棄ほう助罪に問われた無職、岩瀬浩一郎(73)、息子で元裁判所事務官、岩瀬龍彦(49)の両被告はそれぞれ懲役10月、執行猶予3年(求刑・懲役10月)。

 判決によると女性は野中被告の妻のまりこさん(当時53歳)で、3被告は野中被告の長姉が浩一郎被告の元妻という親戚関係。まりこさんは家族間トラブルから野中被告の次姉に暴力を振るわれ、岩瀬家で生活を始めたが徐々に衰弱し、2020年9月に死亡。3被告は次姉と相談し、野中被告が冷凍庫に遺体を遺棄した。岩瀬両被告は消臭剤を置くなどその状態を維持した。

 畑口裁判長は「3人が次姉に逆らえない心理状態だったことは否定できないが、自己保身の思いもあり非難は免れない。一方で自らの行動を反省し謝罪もしている」と、執行猶予付き判決の理由を述べた。【礒野健一】

毎日新聞

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