身柄確保時「当たったか」と山上被告 取り押さえた警察官が証言
安倍晋三元首相銃撃事件で起訴された山上徹也被告(45)の裁判員裁判が30日、奈良地裁(田中伸一裁判長)であり、事件現場で警備に当たっていた検察側証人の警察官が「バズーカのようなものを持っている被告が見えた。(身柄確保時に)被告は『当たったか』とつぶやいた」と証言した。
被告は2022年7月8日、演説中の安倍氏に向けて手製銃を発砲し、殺害したとされる。手製銃は1回につき6個の弾丸が発射される仕組みで、被告は2度にわたって発砲。2度目の発砲のうち2発が安倍氏に命中したとみられる。
警察官は当時、奈良県警奈良西署の警備課に所属。安倍氏の警護のため現場にいた。事件発生時、タイヤが爆発したような音がして音の方向に振り向いたところ、被告が立っていた。身柄を取り押さえるために飛び出したが、2度目の発砲は止められなかった。直後に被告の下半身に覆いかぶさった。被告は抵抗しなかったという。
被告が発した「当たったか」の言葉については、「大きな声でもなく、問いかけている感じでもない。つぶやいている感じだった」と述べた。
検察側によると、安倍氏は事件直後から脈がなく、瞳孔が開き、自動体外式除細動器(AED)を装着したものの、「必要ありません」と音声が流れて使用できなかった。
30日の法廷には、安倍氏の遺体を解剖した奈良県立医科大法医学教室の粕田承吾教授も検察側証人として出廷した。安倍氏は事件当日の午後5時3分に死亡が確認されているが、粕田氏は「非常に重篤な状況で、ほぼ即死に近い状態だった」との見解を示した。
粕田氏によると、命中した2発のうち1発は左腕から大胸筋を貫き、鎖骨付近の動脈を傷つけて約29センチ先の右胸に到達。もう1発は首付近から人の力では骨折させられないほど硬い右上腕部の骨にめり込んでいた。
銃撃によって損傷した動脈は非常に太い血管だとし、粕田氏は「死因は失血死だった」と明言。大量に出血しており、解剖時には血液採取はほぼできなかったと明かした。当時の救急治療はどんな状態だったと想像するかを問われ、「想像を絶するとしか言いようがない。大変な大騒ぎの中で大慌てだったと思う」と述べた。【林みづき、喜多瑞輝、田辺泰裕、木谷郁佳】
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