ライフル銃でのクマ駆除、対応の警察官は機動隊員ら想定 警察庁検討

2025/10/30 20:25 

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 警察庁は30日、警察官が人の生活圏でライフル銃を使ってクマを駆除できるようにする方向で検討していると明らかにした。クマによる人身被害の深刻化を受け、踏み込んだ対策が必要と判断した。実際に対応にあたるのは都道府県警の機動隊員らを想定している。

 木原稔官房長官は30日の記者会見で「クマに関する知識を習得し訓練した警察官の確保や、装備・資機材の整備なども含め、ライフル銃を使用したクマの駆除について早急に対応していく」と述べた。

 駆除では、自治体判断で猟友会のメンバーらが発砲できる「緊急銃猟」が始まっているが、ハンターの人手不足が指摘されている。

 緊急銃猟とは別に、警察官職務執行法では、クマなどの鳥獣が人里に現れて具体的な危険が生じ、特に急を要する場合に、警察官は発砲できると規定されている。ところがクマは皮下脂肪の厚さや頭蓋(ずがい)骨の硬さなどから、拳銃では致命傷を与えられないため、これまで拳銃は発砲してこなかった。

 人身被害の拡大で、クマの捕獲活動を強化する必要があることから、威力があるライフル銃を取り扱う技術がある警察官による駆除の検討を始めた。

 ライフル銃などの特殊銃の使用に関する現行の国家公安委員会規則では、クマの駆除は目的に含まれていない。警察庁はこの規則を見直すなどの対応を検討する。【深津誠】

毎日新聞

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