沖縄米軍基地内で性的暴行 海兵隊員「記憶にない」 地裁初公判

2025/11/18 16:45 

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 沖縄本島中部の米軍基地内のトイレで女性の首を絞めて性的暴行を加えたなどとして、不同意性交等と傷害の罪に問われた在沖縄米海兵隊の1等兵、オースティン・ウェディングトン被告(28)は18日、那覇地裁(小畑和彦裁判長)での初公判で、起訴内容について「記憶にない」と否認した。弁護側も「何らかの暴行を加えた」ことは認めた一方、性的暴行は否定した。

 起訴状などによると、被告は3月18日、米軍キャンプ瑞慶覧(ずけらん)(沖縄県北谷町など)内のトイレで基地従業員の成人女性の首を手で絞めてドアに押さえつけるなどし、性的暴行を加えた。さらに、助けに入った別の女性に対しても顔を踏みつけたり、腕を回して首を絞めたりする暴行を加え、けがをさせたとされる。

 検察側は冒頭陳述で、女性トイレに入った被告が仕切りをよじ登って女性がいた個室に侵入し、大声で助けを求めた女性の口を手で塞ぐなどしたと説明。叫び声を聞いた別の女性が仕切りの下の隙間(すきま)から助けに入ろうとしたところ、顔を踏みつけたという。被告は逃走しようとしたが、駆けつけた海兵隊員に取り押さえられた。

 女性は被害を受けた数時間後に県警に相談。県警は米側の協力を得て、任意で捜査し、4月7日に被告を書類送検した。検察側は、基地内の現場トイレの状況を調べた捜査報告書や周辺の防犯カメラの記録などを証拠として提出した。

 弁護側は性的暴行やほかの一部の暴行の有無、けがとの因果関係などについて争う姿勢を示した。被告は当時飲酒していたという。

 沖縄では2024年6月以降、米兵による性暴力事件が相次いで明らかになり、4人が起訴された。うち2人は既に1審判決を言い渡され、いずれも実刑だった。【喜屋武真之介】

毎日新聞

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