相次ぐ「予期せぬ妊娠」背景の事件 必要な周囲の“気づきと支え”
死産した赤ちゃんを公園に埋めたとして、母親(24)が11月に執行猶予付きの判決を受けた。遺体を放置した死体遺棄の罪だ。
母親は事件の約3カ月前から、自身の体の異変に気づいていた。生理が止まったのは「予期せぬ妊娠」の兆候だった。
しかし、病院には行かず、周囲にも相談しなかった。胎動で「新たな命」を感じながらも、喫煙や飲酒を続けた。
勤務先のトイレで産み落としたのは、身長43センチ、体重1479グラムの小さな女の子。息をしていない我が子を手提げかばんに入れ、母親は公園へと急いだ。
女性は大阪地裁の法廷で、自身の置かれた孤独な環境や反省を口にした。「大変なことをした。(赤ちゃんのために)自分の体を大事にすればよかった」――。
「予期せぬ妊娠」をきっかけにした事件は、後を絶たない。
こども家庭庁による虐待死の調査によると、2023年度に生後24時間に満たずに死亡した「0日児」は16人。このうち少なくとも5人は予期せぬ妊娠が背景にあったとみられる。
16人全員が医療機関以外で生まれており、半数は自治体に妊娠届が出されていなかった。
◇声かけは「さりげなく」が望ましい
虐待問題などに詳しい山縣文治・大阪総合保育大特任教授(子ども家庭福祉)は「医師や看護師などが立ち会わない中での出産は、母子ともに非常に危険だ。親族や職場、友人などが妊娠に気づき、本人を支えてあげる必要がある」と語る。
周囲が異変や兆候に気づいた場合は、行政や医療機関につなげてあげることが重要となる。一方、妊娠は非常にプライベートな問題。「しんどくない?」など、さりげない声かけから状況の把握に努めることが望ましいという。「あくまでも本人が支援を受ける意思を持つことが重要だが、周囲の人が信頼感を得ることも大切だ」
相手が分からなかったり、避妊に同意を得られなかったり、意図せず妊娠してしまう事情はさまざまだ。氏名や住居の届け出が必要な公的サポートを受けることに抵抗がある女性も多い。
山縣教授は「SNS(交流サイト)などで匿名で相談を受け付けている民間の支援団体もある。周囲がインターネット検索を手助けするだけでも、何らかの支援につながる手助けになるのではないか」と呼びかけた。【斉藤朋恵、大坪菜々美】
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