駅の公衆トイレでクマ被害 群馬・沼田市長「中心街でショック」

2025/12/01 18:20 

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 市街地にクマが出没し、人身被害が相次いでいることを受け、群馬県沼田市の星野稔市長は1日の定例記者会見で「異常を極めている。恐れていた中心街のJR沼田駅に出たということでショックを受けている」との認識を示した。市内の多くの小中学校で登下校時の保護者の送迎が依頼されており、夜間の飲食店利用を控える動きが出るなど市民生活にも影響が出ている。【庄司哲也】

 市内では11月28日未明、JR沼田駅東口の公衆トイレ内で男性がクマに襲われ、複数箇所をひっかかれ軽傷を負う被害が出た。また、10月7日夜にはスーパーの店舗内に侵入したクマが買い物客2人を襲いけがをさせるなど、市街地でのクマの被害が相次いでいる。

 市によると、2025年度の市内のクマの捕獲数は122頭(11月末現在)で24年度の44頭を大幅に上回っている。このうち10月が55頭(24年度2頭)、11月が38頭(同0頭)を占めた。

 目撃情報も25年度は342件と、24年度の133件から急増。10月は216件、11月も70件が寄せられた。市は目撃情報があった場所にわなを仕掛けるなどの対策を行っており、捕獲数が大幅に増えたのもこうした市の対策が一定の効果を上げていることを示している。

 1日も市内で目撃情報があり、星野市長は「今年は12月に入っても油断はできず、クマがいつ冬眠に入るのかわからない。注意喚起を行い、箱わな設置を続け、警戒を緩めない。最大限の対策を図っていきたい」と話した。

毎日新聞

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