東京・上野動物園の双子パンダ、中国に返還へ 半世紀ぶり国内不在に

2025/12/15 08:49 

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 東京・上野動物園にいる双子のジャイアントパンダが中国に返還されることが東京都関係者への取材で明らかになった。国内のパンダはこの2頭のみ。1972年にカンカン、ランランが中国から贈られて以来、初めて列島でパンダが不在となる。

 上野動物園のパンダ、シャオシャオ(雄)とレイレイ(雌)は昨年9月に中国に返還されたリーリーとシンシンの子どもで、2021年に上野動物園で生まれた。来年2月20日が返還期限で、都などが期限延長や新たなパンダの貸与を中国側に求めてきたが、前向きな返事を得られていなかった。都は期限ごろまでに返還する予定。

 日本でパンダの飼育が始まったのは72年。日中国交正常化を契機に中国からカンカン、ランランが贈られ、上野で飼育されることになった。84年にワシントン条約で「最も絶滅危惧のレベルが高い生き物」に分類されると商業目的の国際取引が禁じられ、上野のパンダも「贈与」から繁殖・研究を目的にした「貸与」に変わった。日本生まれのパンダも所有権は中国にある。

 上野では、中断期も含めて53年間で計15頭を飼育してきた。7頭が誕生し、うち5頭(トントン、ユウユウ、シャンシャン、シャオシャオ、レイレイ)が成長した。

 国内では和歌山・アドベンチャーワールドのパンダ全4頭が今年6月に返還され、残りは上野の2頭のみとなっていた。【柳澤一男】

毎日新聞

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