横浜市全域で路上喫煙が禁止に 27年開幕予定の「花博」見据え

2025/12/15 19:13 

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 横浜市は15日の市議会常任委員会で、市内全域で路上喫煙を禁止する方針を示した。2027年3月に開幕予定の国際園芸博覧会(花博)を見据え、屋外の受動喫煙対策を進める。喫煙所の密閉化や新設など、分煙環境の向上にも取り組む。

 現行の「ポイ捨て防止条例」は、市内主要駅の周辺8カ所を「喫煙禁止地区」に指定し、たばこを吸った場合は過料2000円を徴収するとしている。歩行中の禁煙は努力義務で、吸い殻のポイ捨てを禁じている。

 受動喫煙防止に対する意識の高まりを背景に、市には路上喫煙や歩きたばこなどの苦情・要望が相次ぐ。24年度は255件、公園が禁煙化された25年4月以降は半年で206件に上った。路上喫煙の規制や取り締まりを求める声が目立つという。

 こうした中、市は条例改正を検討。市内全域で路上喫煙を禁じ、既にある喫煙禁止地区の過料対象に加熱式たばこを加える方針だ。横浜や桜木町、関内など主要駅周辺の禁止地区に「日吉駅周辺」を追加する案もある。

 一方、喫煙者にも配慮し、禁止地区で喫煙所の整備を進める。外から街に来る人にも分かるよう、喫煙所はウェブ上に載せて周知を図る。また、屋外の喫煙所はパーティションで区切られた開放型から、密閉型に転換して一層の分煙を図る。

 市は来年2月ごろにパブリックコメントを実施。夏前の市議会定例会で条例改正案を提出し、花博開幕の2カ月前となる27年1月ごろの条例施行を目指す。【岡正勝】

毎日新聞

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