姫路城で年末恒例「クリーン作戦」 陸自が50回目のすす払い

2025/12/17 11:09 

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 姫路城(兵庫県姫路市)で16日、陸上自衛隊姫路駐屯地による「クリーン作戦」があった。訓練を兼ねた年末の恒例行事で、今年50回の節目を迎え、城内には、始まった経緯や開始間もない頃の写真などをパネル展示するコーナーが設置された。

 約350人の隊員が参加し、普段は清掃できない大天守の屋根や石垣に上り、すす払いや雑草の除去作業に当たった。地上約50メートルの大天守では11人のレンジャー隊が命綱をつけて屋根に出て、長さ約2メートルのほうきで軒下にたまったほこりを払った。

 クリーン作戦は1976年に始まった。同駐屯地によると、姫路南ロータリークラブ会長だった小林一夫さん(100)が城の清掃を計画。会員だけでは人手が足りないため、駐屯地で銃剣道の指導をしていた小林さんが自衛隊に協力を依頼。訓練の一環として実施することになった。

 長男敬一郎さん(76)によると、一夫さんは地元商店街で茶・茶道具店を経営し、さまざまな武道の有段者だった。現在は福祉施設に入居している。敬一郎さんは「父から直接、クリーン作戦の経緯を聞いたことはなかったが、半世紀も続いているのは素晴らしいことで感謝したい」と話していた。【村元展也】

毎日新聞

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