サウナ2人死亡 非常ボタン受信機は常に電源オフ 火災時に押した跡

2025/12/17 20:41 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 東京・赤坂の個室サウナ店で客の夫婦が死亡した火災で、発生当時、サウナごとにある非常ボタンとつながった受信盤の電源が切られていたことが捜査関係者への取材で判明した。店の事務室に置かれていたが、オーナーの男性は「受信盤の電源は今まで一度も入れたことがない」と話しているという。夫婦はサウナに閉じ込められた際に非常ボタンを押した形跡があり、警視庁は業務上過失致死容疑を視野に店の安全管理体制を調べている。

 警視庁や捜査関係者によると、火災が起きたビル3階のサウナ内の非常ボタンはカバーが外れており、夫婦が押したとみられる。1階事務室にある受信盤に通知されるはずだったが、電源が入っておらず、作動しない状態だった。店は2022年8月のオープン以降、電源オフが常態化していたとみられる。

 サウナ内からは燃えたタオルが見つかっており、タオルが何らかの原因で高温に熱せられたサウナ用の石に触れたことで出火した可能性が高いという。

 司法解剖の結果、死亡した川崎市幸区の松田政也さん(36)と妻陽子さん(37)の死因は不詳だった。焼死や高体温症の可能性があるという。【松本ゆう雅、菅健吾、朝比奈由佳】

毎日新聞

社会

社会一覧>