顧問が保護者に知らせず海へ→中1溺れ死亡 平塚・水難事故報告書

2025/12/17 21:43 

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 今年8月、神奈川県平塚市の海水浴場で市立中1年の女子生徒が溺れて死亡した事故について、市教育委員会は17日、検証報告書を発表した。部活中に顧問教諭が校長や保護者に知らせず生徒を海に引率し、事故が起きたことが明らかになった。

 報告書によると、事故は8月4日昼、同市高浜台の「湘南ベルマーレひらつかビーチパーク海水浴場」で発生。市立中陸上部の1年~3年の生徒14人が海に入ったところ女子生徒3人がおぼれ、このうち1人が翌日に死亡した。

 顧問教諭と生徒は学校外の公園で練習した後に海水浴場に移動、砂浜で1時間ほど練習した。顧問教諭はクールダウンの目的で「海に入っていい」と伝え、生徒は練習着のまま海に入ったという。

 当日は、波の高さや風の強さから「遊泳注意」として遊泳区域が通常の半分程度の幅に狭められていた。顧問は生徒にも注意を促し浜辺から監視していたが、女子生徒3人が区域から20メートルほど流され、ライフセーバーに救助された。

 顧問は1人で指導に当たり、海で練習することなどを記した活動計画を校長に事前提出せず、保護者にも通知していなかった。昨夏も2回、同様に海辺で活動をしていた。

 市教委は、顧問らの危機管理意識と安全管理への認識が足りなかったことが事故の要因と結論づけた。校内での情報共有や安全研修で再発防止を図るという。【澤圭一郎】

毎日新聞

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