「最後まで戦った」夫妻、銃を奪おうとして犠牲に シドニー銃撃

2025/12/17 19:04 

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 オーストラリア東部シドニーのユダヤ教徒を狙ったとみられる銃乱射事件で、犠牲となった夫婦が、亡くなる直前に容疑者の男性から銃を奪おうとしていたことが分かった。豪メディアなどが伝えた。現場を通りかかった車のドライブレコーダー映像に記録されていたという。

 豪メディアによると、犠牲となったのは地元在住でユダヤ系の60代夫婦。交流サイト(SNS)で拡散された映像には、銃を持った容疑者と夫がもみ合い、夫が銃を奪って路上に倒れ込み、妻が駆け寄ろうとする様子が映っている。その後、夫は奪った銃で容疑者を殴ったように見えるが、容疑者は別の銃を取り出し、夫妻を殺害したとみられる。事件後、道路上で倒れているのが見つかった。

 豪紙「シドニー・モーニング・ヘラルド」によると、夫妻は事件の最初の犠牲者とみられるという。

 遺族は声明で、「2人を失った悲しみは計り知れないが、2人の勇気と無私の行動を誇りに思う」と語った。夫は元整備士で、妻は郵便局で働いており、結婚34年目だったという。

 ドライブレコーダーの映像を提供した女性はロイター通信に対し、「彼は逃げなかった。危険に向かって突進し、最後まで戦った」と証言した。

 事件を巡っては、別の男性も容疑者の1人から銃を奪って負傷し、国内外で称賛の声が上がっていた。【バンコク国本愛】

毎日新聞

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