「日本版DBS」ガイドライン案、有識者検討会が大筋了承 対象は?
子どもと接する仕事に就く人の性犯罪歴を確認する「日本版DBS」を柱とするこども性暴力防止法を巡り、こども家庭庁の有識者検討会は22日、運用ガイドライン案を大筋で了承した。2026年12月の法施行に向けて、犯歴確認に加え、性暴力につながりうる「不適切な行為」の明確化や防犯カメラの設置推奨などを盛り込み、初犯防止対策も整備した。
こども性暴力防止法は事業者に、現職や新規採用の職員の性犯罪歴を国に照会し、犯歴などから「性暴力のおそれ」があると判断した場合は子どもと接しない業務への配置転換や内定取り消しなどを義務づける。
犯歴にあたるのは、不同意性交等罪や児童買春・児童ポルノ禁止法違反などで、拘禁刑は執行終了後20年間、執行猶予は判決確定後、罰金刑は執行後ともに10年間で確認する。学校や認可保育所などの公的施設のほか、国の認定を受けた学習塾や放課後児童クラブなどの民間事業者も対象となる。
ガイドライン案によると、教員や保育士など常に子どもと接する職種は一律で対象になる。事務職員などは事業者の判断で、支配性▽継続性▽閉鎖性――の3要件を満たせば対象となる。スポットワークやボランティアも対象になりうる。
名前を変えて犯歴を隠すことを防ぐため、照会には過去の全ての戸籍が必要。急な欠員などで仕事の開始までに間に合わない場合に確認を最大6カ月猶予する「いとま特例」を設ける。確認が済むまでは原則子どもと1対1にならないなどの措置が必要になる。
ガイドライン案は、犯歴照会による再犯防止だけでなく、初犯対策も規定した。法律で義務とされた職員研修の内容を明示したほか、防犯カメラの設置について、性暴力抑止やトラブル防止の観点から「有効」と明記した。
さらに、子どもとの私的なコミュニケーションや不必要な身体接触などを、性暴力につながりうる「不適切な行為」と定めた。指導にもかかわらずこのような行為を繰り返した場合は、原則配置転換などの措置が必要になる。
「日本版DBS」の「DBS」は、英国で運用されている制度。「Disclosure and Barring Service」の略で、子どもに関わる業種に就職する人について、事業者が性犯罪歴がないことを証明する「無犯罪証明書」を確認することを義務づけている。今回の制度設計で参考にされた。【近森歌音】
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