天皇陛下、新年の感想公表「お互いを思いやり、困難な状況乗り越え」

2026/01/01 00:00 

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 天皇陛下は2026年の年頭にあたり、宮内庁を通じて感想を公表された。戦後80年だった25年を平和の尊さを改めて考える年だったと振り返り、「今年も、人々がお互いを思いやり、支え合いながら、困難な状況を乗り越えていくことができるよう願っています」とつづった。

 陛下は、地震や林野火災などの自然災害、物価上昇による苦労や困難を抱える人々を案じつつ、「社会のために地道に活動に取り組む人も多い」と心強さも感じているという。「新しい年が、我が国と世界の人々にとって、希望を持って歩んでいくことのできる良い年となることを祈ります」と結んだ。

 今年は東日本大震災から15年、熊本地震から10年にあたる。関係者によると、陛下が皇后雅子さまとともに、春に岩手、宮城、福島の3県を訪ねる方向で宮内庁が調整している。年内に熊本県も訪問する見込み。犠牲者を悼み、震災の傷痕や復興の現状を伝える人々と交流するという。

 また、天皇、皇后両陛下の出席が恒例の四つの行事に今年も出向く予定。全国植樹祭は愛媛県、国民スポーツ大会は青森県、「国民文化祭と全国障害者芸術・文化祭」は高知県、全国豊かな海づくり大会は大阪府でそれぞれ開かれる。

 2日は、皇居で新年一般参賀がある。両陛下や皇族方が宮殿・長和殿のベランダに立ち、集まった人々の祝賀に応える。秋篠宮ご夫妻の長男悠仁さまが初めて参列し、全5回のうち午前中の3回は上皇ご夫妻も出席する。【山田奈緒】

毎日新聞

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