弁護団「解決へ大きな一歩」 B型肝炎「再々発型」訴訟の和解成立
集団予防接種が原因でB型肝炎ウイルスに感染し、慢性肝炎を発症した患者7人が国に損害賠償を求めた訴訟は15日、福岡高裁(河合芳光裁判長)で和解が成立した。発症と沈静化を繰り返す「再々発型」の患者が救済されやすくなる初の和解内容。全国の裁判所で適用できるようにするための基本合意も国と原告団・弁護団の間で結ばれた。係争中の原告のうち対象患者は約160人に上る見通し。
B型肝炎は発症後に沈静化する患者が大半だが、中にはウイルスが長い年月を経て再活性化して再発したり、再発と沈静化を繰り返したりする患者も一定数いるとされる。
原告団と国が2011年に調印した基本合意に基づき、患者救済の枠組みを定めた特別措置法を12年に施行。患者は裁判を起こして国と和解すれば1250万円が給付される仕組みができた。ただ、発症から20年以上が過ぎた患者について、国は「賠償請求権が消滅する『除斥期間(20年)』を経過した」として給付金を減額し、最大300万円としている。
このため、再発の患者たちは除斥期間の起算点について訴訟で争ってきた。最高裁は21年4月、再発患者については除斥期間の起算点を「再発時」と判示し、救済範囲を拡大。一方、再々発型患者の起算点を巡っては訴訟が続いていた。
今回の和解内容は、再々発型患者の起算点を「3回目の発症時」と設定。過去に減額された給付金を受け取った人も、新たに再々発患者として裁判で和解すれば、減額分と弁護士費用を受け取れる。
九州弁護団代表の小宮和彦弁護士は和解成立を評価し「除斥差別なき解決に向けた大きな一歩。被害者救済のために広く解釈する運用を強く国に求めたい」と話した。
厚生労働省は同日、B型肝炎訴訟の給付金などに関するホームページを更新し、今回の基本合意内容や提訴の手続きなどについて説明する内容を掲載。肝炎対策推進室の担当者は「早期の和解と救済が進むよう取り組んでまいりたい」とのコメントを出した。【森永亨、中村好見】
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