「迷惑でしかない」 36年ぶり「2月衆院選」なら受験シーズン直撃
高市早苗首相が、23日召集の通常国会で衆院を解散する意向を与党幹部に伝えた。
衆院選は27日公示、2月8日投開票の日程が有力視されているが、その通りになれば1990年以来36年ぶりの2月決戦となる。
だが、期間中は受験シーズンを直撃するため、選挙カーの音などが受験生に多大な影響を及ぼすのではないかと懸念されている。
教育行政に詳しい専門家は「たとえ選挙活動であっても、受験機会を妨害するのは受験生の権利侵害になる」と指摘し、各地の選挙管理委員会や候補者らに十分な対応を求めている。
◇受験生「努力を脅かす実害そのもの」
受験を控える高校生から毎日新聞に届いた投書には、悲痛な訴えがつづられていた。
<今は受験生にとって人生を左右する正念場。それなのに学習中、試験中に響き渡る選挙カーの騒音。試験会場への動線を塞ぐ街頭演説。人混みによる感染症への恐怖。それらは大きな政治の流れからすればさまつなことかもしれないが、受験生から見ると、今まで積み上げてきた努力を脅かす実害そのものだ>
受験シーズンに衆院選はやめてほしいとして、高校生はこうも続ける。
<18歳選挙権が導入されながら、投票が物理的にも精神的にも最も困難な時期に設定されるのは理解に苦しむ。若者の政治参加を呼びかけつつ、投票機会を奪う矛盾に憤りを覚える>
◇私立の高校、大学は本番のピーク
私立高校や私立大学の受験は、全国的に1月下旬から2月中旬にピークを迎える。
また、東京都や神奈川県の私立中学の入試は2月1日の日曜日から始まる。この日は、公示後初めて迎える日曜日に大規模な街頭演説などが行われる「ファーストサンデー」と重なることになりそうだ。
さらに、7~8日には医師国家試験も予定されている。
中学受験を控えた小学6年生の保護者は「感染症が気になるため、この時期は不特定多数が集まる人混みは少しでも避けたいもの。でも、駅前などで街頭活動されるとどうしても近づかざるをえず、心配ごとが増えそうです」と肩を落とす。
◇ごみ収集車の音でもクレーム
「受験会場近くでは、音声を流して営業活動する食品販売などの車の音だけでも集中が乱されたと学校にクレームが来る。それが大音量の選挙カーとなれば、受験生にとっても学校にとっても迷惑行為でしかありません」
そう指摘するのは、日本大文理学部の末冨芳教授(教育政策)だ。
末冨教授によると、大学の校舎で授業をしているときも、選挙カーの音が聞こえてくることがあるという。
公職選挙法は学校や病院などの近くではマイクの音量を落とすなど、授業や医療行為などに支障が出ないように「静音を保持」するよう求めているが、あくまで陣営側の努力義務にとどまる。
そのため、各地でこの時期に行われた選挙では「リスニングの試験の際に街頭演説の連呼が聞こえた」などの苦情が各選管に寄せられたケースは少なくない。
◇選管「受験生に影響出ないよう準備」
多くの有名私立中学が集まる東京都千代田区では昨年2月2日投開票の区長選の際、受験生に影響が出ないよう配慮を求める要望が学校側から寄せられたという。
これを受け、区選管事務局は学校の周辺などでは遊説を控えるよう求める文書を各陣営に配布した。
区選管の担当者は「衆院選が受験シーズンに重なる可能性が高いため、改めて受験生らに影響が出ないよう候補者に周知徹底する準備をしていきたい」と話す。
末冨教授は「この時期は受験生にとっては人生をかけた時間。特に中学受験生はまだ子どもで、特段の配慮が必要になる。保護者の方は不安の声を上げ、候補者の事務所や所属政党に配慮を求めるようにしてほしい」と呼びかける。
◇若者の声届きにくくなる可能性も
また、末冨教授は投票率への影響も懸念している。
総務省によると、2025年参院選で18歳の投票率は45・78%だった。
全体の投票率(58・51%)を下回ったものの、19歳(37・63%)より8ポイント以上高い結果となった。
選挙権を得たばかりの18歳は比較的関心が高いとされるためだが、大学受験を控えていれば選挙の情報収集などに時間を割きづらい上、感染症予防で投票所に足が向きにくくなることも考えられる。
末冨教授は「この時期は大学も休みなので、通常であれば投票を学生に呼びかける教員もいません。国政に若者の声が届きにくくなる可能性がある」と指摘する。【稲垣衆史】
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