訪日客の「目玉」、火口付近の遊覧飛行で「まさか」 熊本ヘリ墜落

2026/01/20 21:01 

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 遊覧ヘリコプターの事故が起きた阿蘇山中岳火口周辺(熊本県阿蘇市)は、訪日観光客(インバウンド)にとって全国有数の人気観光地だ。中でも火口の様子を間近で見られる遊覧ヘリは、阿蘇山観光の「目玉」コンテンツだった。

 環境省によると、2024年に阿蘇山を含む阿蘇くじゅう国立公園に訪れた訪日客は約118万人。全国の国立公園では、富士山を含む富士箱根伊豆国立公園に次いで2番目に多い。

 中国や台湾の旅行客を案内する業者によると、阿蘇山の火口周辺は「大自然の迫力を体感できる」と訪日客の評判が高い。特に、遊覧ヘリは「火口を間近で見られる」と珍しがられ、搭乗を待つ列ができるほどの人気ぶりという。業者は「まさか事故が起きるとは……」と戸惑いを隠さない。

 雄大な自然を堪能できるとはいえ、阿蘇山の中岳は活火山でもある。

 福岡管区気象台によると、阿蘇山の噴火警戒レベルは1で、火山活動は低下した状態が続く。地上は火山ガスの状況次第で立ち入り規制がかかるが、上空の飛行は気象条件さえクリアしていれば、特段の危険があるわけではないという。

 ただ、中岳火口の周辺1キロ圏内は、ドローンや無線操縦機など無人飛行機の飛行が原則禁止されている。墜落した場合に回収が困難なためだ。一方、有人飛行は禁止の対象外で、日常的に遊覧ヘリが飛んでいる。

 今回、ヘリの機体は中岳第1火口の北側斜面で見つかっており、火山ガスの濃度を確認しながらの救出活動となる見通しだ。阿蘇市の災害担当者は「火口周辺の飛行自体が危険という認識はなかった。今回の事故を受け、どう対応するかはまだ分からない」と話す。【山口響、平川昌範】

毎日新聞

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