大阪府、ギャンブル依存症啓発動画を公開停止 SNSで「偏見」批判

2026/01/29 17:43 

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 大阪府は28日、若年層を対象に違法オンラインギャンブルへの注意を呼びかける動画の公開を停止した。動画内ではギャンブルに依存する高校生が描かれていたが、依存症は心の弱い人がなるといった偏見を助長すると交流サイト(SNS)上で批判が相次いでいた。

 動画は5分ほどの長さで、21日にユーチューブで公開された。「ラクして生きたい」が口癖の高校生「ギャン太郎」がオンラインカジノにはまり、克服するというストーリー。依存症になったことを「心が鬼になった」と表現し、解決策として「鬼」に打ち勝つことが重要と説いている。

 動画については27日ごろからSNSで「依存症者は怠惰との偏見を植え付ける」「精神論では治らない」などと批判が集まった。「ギャンブル依存症問題を考える会」代表の田中紀子さんは「ギャンブルに依存する人は怠け者という偏見そのもの。当事者を鬼という悪党の代名詞で表すのは当事者やその家族を傷つける人権侵害だ」と述べた。

 大阪府は28日夜、「医療関係者の意見を聞き、今後の対応を検討する」として動画の公開停止を発表。府の担当者は「オンラインカジノは違法で、悩んだ時には相談場所があるということを伝えたかったが、ギャンブル依存症についてもう少し説明する必要があった」としている。

 府によると、動画は公募で選ばれた博報堂プロダクツ関西支社が作成。若年層への意識調査と合わせて約687万円で委託された。【小坂春乃、砂押健太】

毎日新聞

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