湖の底に「眠る街」、少雨で出現 神奈川県内ダム貯水率が半分以下に

2026/02/19 09:17 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 少雨の影響で、神奈川県内のダムの貯水率が半分以下まで低下している。特に相模原市緑区の人工湖「津久井湖」は1割まで下がり、底が一部むき出し状態に。湖を造るため、水没したかつての集落の姿があらわになっている。

 ◇湖底カラカラ、レンタル業者も休業

 津久井湖は、高度経済成長期の人口増加などに対応するため、県が相模川上流の相模湖町など約300世帯を移転させ、1965年に完成させた。貯水量は約5470万立方メートルで、横浜市など都市部に水を供給している。

 2月上旬に訪れると、この時期は釣り客でにぎわうという湖は、底の一部が露出して乾燥していた。ボートのレンタル業者も休業を余儀なくされている。湖底を歩くと、円柱や石段を見つけた。さびた車輪もある。

 集落移転を後世に伝える「津久井湖記念館」の担当者は、「かつてお稲荷さん(神社)があったと聞いている」と話す。円柱は鳥居とみられ、「冬の降水量は少ないが、ここまで水位が下がっているのは珍しい」と驚きを隠さない。

 物珍しさに見物に来る人も多い。家族で来ていた相模原市南区の山本沙智さん(67)は「何が眠っているのか知りたくて来ました」と話した。

 ◇県は節水呼び掛け

 県によると、津久井湖の貯水率は17日時点で11%。他のダム湖も少雨の影響を受けており、ダム湖4カ所の貯水率は平均38%まで低下し、平年の半分程度という。

 なぜ水位がここまで低下しているのか。横浜地方気象台によると、ダムに水をためる時期に当たる昨夏は梅雨が記録的に短かった。さらに太平洋高気圧に覆われることが多く、晴れが続いた。津久井湖の上流に位置する相模湖の昨年6~8月の降水量は222・5ミリで、平年の半分以下だったという。

 さらに今冬も関東南部が晴れる冬型の気圧配置が続いた。1月の降水量は1・5ミリで、ほとんど降っていない。

 県の担当者は、四つのダム湖の水をやりくりするため、当面は水の供給に支障がないとしつつ、「限られた資源となっているので、節水にご協力いただきたい」と呼び掛けている。【清水夏妃】

毎日新聞

社会

社会一覧>