制服に入学金…困窮世帯の4割、新生活で借金 公的支援届かず

2026/02/27 14:00 

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 子どもの新生活に合わせ、困窮世帯の約4割が借金を背負う――。子どもの貧困対策に取り組む公益財団法人「あすのば」が27日に公表した実態調査で、低所得世帯を対象とした入学の費用負担に関する厳しい状況が明らかになった。食事や医療費を切り詰める世帯もあった。教育費に対する公的支援は拡充される方向にあるが、低所得世帯に対する支援が十分ではない実態が浮かぶ。

 調査は2025年10月、あすのばから給付金を受け取り、子どもが25年春に小中高に進学または卒業した住民税非課税世帯・生活保護世帯2248人を対象にオンラインで依頼。36・1%にあたる813人から回答を得た。

 卒業・進学時に必要な費用の捻出方法を複数回答で尋ねたところ「節約」が42・1%で最も多く、「貯金の取り崩し」が31・5%と続いた。節約の方法としては衣類や靴、水道・光熱費を抑えるとの回答が目立った。誕生日やクリスマスなどイベントの支出を我慢したり、食事の回数を減らしたりした保護者はそれぞれ約4割、医療費を節約した保護者は2割弱いた。

 「親族や知人からの借金」は19・8%、「銀行やカードローンからの借金」は15・0%、「社会福祉協議会などによる貸付制度を利用」は10・8%。重複を除くと、これらのいずれかに該当する保護者は40・2%にあたる326人に上る。

 費用負担が大きい支出項目としては、「制服・標準服」が最も多く、「体操服」「教科書や参考書」「入学金」「パソコン・タブレット端末」などと続いた。

 国は高校生のいる低所得世帯に対し、授業料以外の教育費に充てられる返還不要の「奨学給付金」を給付しているが、入学後の申請が必要。調査では、高校進学者がいる世帯の71・3%が支給時期について「遅い」とし、「入学前支給があったら利用したい」とする世帯は87・6%に上った。

 国や自治体は高校生を対象とする授業料支援の制度を拡充してきたが、「授業料や入学金を立て替えて支払った」とした保護者は5割超いた。受験・卒業・入学のタイミングでの支援が行き届いていない可能性がある。【斎藤文太郎】

毎日新聞

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