かつての「三セク優等生」存廃議論大詰め 平成筑豊、沿線バス支持も
福岡県東部と県央を結ぶ第三セクターの平成筑豊鉄道(本社・福岡県福智町、取締役会長・服部誠太郎知事)で、鉄路の存廃議論が大詰めを迎えている。かつては「三セクの優等生」ともてはやされたが、沿線人口の減少などで経営は悪化の一途をたどる。県が設置した法定協議会で沿線9市町村などが今後の路線のあり方の検討を進め、年度内に結論を出す予定だが、財政難でバス転換支持を表明する自治体も出ており、鉄道維持は厳しい状況だ。
災害に遭ってJRなどの赤字ローカル線が廃止される事例は複数あるが、法定協を通じて三セクが鉄路断念の選択を取ることになれば異例だ。自治体が経営参画する三セクは厳しい経営環境に置かれていることが多く、他地域での議論に影響を与える可能性もある。
「なんとしても鉄道を残してもらいたい気持ちがあるが、これだけコストがかかると正直、無理だと感じる」。2025年12月19日に福岡県みやこ町であった住民説明会。沿線に住む男性は質疑応答で内田直志町長にとつとつと訴えた。
説明会では、法定協で現行の代替案として提案されている、①鉄道を維持したうえで施設の維持管理を自治体が担う上下分離方式②バス専用道をバスが走るBRT(バス高速輸送システム)③路線バス――を説明。今後30年間の沿線9市町村の負担総額は、現行の鉄路の473億円に対し、①が439億円②が148億円③が110億円――に上るとの想定も示された。
みやこ町は3月中旬にどの案が最適か結論を出す方針だが、内田町長は取材に「3案で今も迷う。町民の気持ちも分かるし、財政を預かる町長として限界がある。朝起きる度に意見が自分の中で変わる。お金か将来性か、と」と吐露する。
◇利用者減、赤字拡大
平成筑豊鉄道は明治時代に石炭を運ぶ産業鉄道として発展。1987年の旧国鉄分割民営化に伴い廃線の対象となり、県や沿線自治体が出資する三セクとして89年10月に開業した。利用客数は開業直後は国鉄時代より多い340万人を維持したが、95年度ごろから減少し、24年度の輸送人員は約125万人に落ち込む。
現在は3路線(約49キロ)などを運行し、沿線の学生や高齢者にとって通学や生活の貴重な足だ。ただ平成筑豊鉄道が23年に実施した調査では、沿線住民の約7割が鉄道維持を望んだものの、約5割がさらなる自治体負担には否定的だった。
赤字は拡大傾向で、24年度決算では3億5480万円の営業赤字を計上。9自治体が過去最大の4億5000万円超の財政支援をし、2期ぶりの黒字にこぎつけた。施設や設備も老朽化し、鉄道を継続した場合、年平均で15億円超の赤字が継続的に出る見通しだ。
9自治体は24年10月に地域公共交通活性化再生法に基づく法定協の設置を県に要請。同年12月に9自治体の担当者のほか、国や県の担当者や公共交通事業者、学識経験者ら27委員で構成する法定協が設置され、これまでに8回にわたって議論を重ねてきた。3月中に各委員の書面決議を経て、3案から1案を決める。
投票では沿線自治体の意向は大きな判断材料だが、すでに4自治体が議会などで「路線バス」支持の意向を表明している。いずれも財政的な問題や住民の意向を理由として挙げる。
みやこ町を含む残る5自治体も近く態度を表明する予定だが、バス転換を容認する自治体が多数派となりそうな情勢だ。出資額が県に次いで多く、三セクの取締役副会長を務める福岡県田川市の村上卓哉市長は2月の定例記者会見で「財政負担が示され、鉄道を選択するのは勇気がいる」と語る。
一方、福智町の黒土孝司町長は、利用客の多くを占める高校生が鉄道維持を支持することに加え、鉄道の定時性や輸送力が優れていると強調。取材に「上下分離方式に投票する」と明言する。【出来祥寿、宗岡敬介】
◇地域公共交通活性化再生法に基づく法定協議会
赤字が続くローカル線など地域の公共交通機関の活性化や再生に向け、関係行政機関や交通事業者、学識経験者らが一体となって議論する協議体。地域公共交通計画作成や実施について話し合われ、計画実施のために国から財政支援も受けられる。
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