「賠償、最後の機会」 全国弁連、旧統一教会の全被害者救済呼びかけ

2026/03/07 20:22 

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 解散命令を受けた世界平和統一家庭連合(旧統一教会)による被害の救済に長年取り組んできた全国霊感商法対策弁護士連絡会(全国弁連)が7日、東京都内で集会を開き、教団の清算手続きで「全ての被害者」が救済されるよう求める声明を出した。全国弁連として「これまでの資料や知見、経験の提供を一切惜しまない」といい、清算人に協働を呼びかけている。

 東京高裁の解散命令は、教団が40年以上にわたって不当な献金被害をもたらしてきたと認定しており、被害者は膨大な数が見込まれる。声明では信者2、3世も含めて全被害者が「声を上げられる」よう訴え、教団の後継団体による新たな被害を防ぐ立法措置も求めた。

 ◇「教団からの賠償、最後の機会」

 東京高裁による解散命令は4日に決定し、清算人に選ばれた伊藤尚弁護士(第一東京弁護士会)による清算手続きが始まった。

 声明はこの清算手続きが「旧統一教会から賠償を受けられる最後の機会になる」可能性を指摘。まだ教団による献金被害や精神的な苦痛を申し出ていない信者や元信者に対して、法テラスや全国弁連に相談するよう呼びかけた。

 訴え出やすくするために、被害を訴える元信者らが中傷にさらされない措置を要望。集会で、紀藤正樹弁護士は「中傷やスラップ訴訟(どう喝訴訟)を受けない、被害申告をしやすい環境が必要だ。清算人は教団や現役信者らに、そうしたことをしないよう呼びかけてほしい」と述べた。

 ◇教団の後継団体、取り締まれない?

 今後も教団による組織的な活動は続くとみられている。

 複数の教団関係者によると、教団は後継団体を設立し、宗教法人格を失っても信者らの信仰・布教を続ける見込みだ。ある教団職員は「教会施設も賃貸契約を結び直すなどして変わらずに使いたい」と話す。

 全国弁連は、こうした活動で新たな被害が生じることを懸念。2022年には悪質な寄付勧誘を禁じる不当寄付勧誘防止法が成立したが、声明は「原則として法人を規制するため、宗教法人でなくなった教団の後継団体は取り締まれない」と指摘し、見直しを求めた。

 ◇「過去の被害、清算人が調査を」

 清算手続きでは清算人が今後、教団への賠償や返金などを求める「債権申し出」を募る予定だ。期間は5月の連休明けから「1年間」を見込んでいるが、信仰心につけ込まれた被害に気付くまで、年単位の時間を要する信者も多いとみられる。

 清算人に対し、紀藤弁護士は集会で「まず信者名簿を基に、過去に誰がいつ、いくら献金をしたのかの実態を調べるべきだ」と主張。阿部克臣弁護士は「清算手続きの本質は、債権や債務の処理ではなく被害者救済にある。行政や立法への働きかけも含め、被害者に徹底的に寄り添う姿勢をお願いしたい」と呼びかけた。【春増翔太、宮城裕也】

毎日新聞

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