「バイバイ原発」の集い 京都中心部をデモ行進、1000人が参加

2026/03/07 20:51 

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 東京電力福島第1原発事故の発生から15年を迎えるのを前に、京都市東山区の円山公園音楽堂で7日、「バイバイ原発3・7きょうと」の集いが開かれた。市民有志による実行委員会の主催で約1000人が参加。「脱原発はいまだ道半ばながら(国の原発回帰で)再び忍耐の局面を迎えている。電気の大消費地に暮らす私たちも当事者だと思い出し、エネルギー政策を一緒に考えよう」と訴え、終了後は市中心部をデモ行進した。

 脱原発福島ネットワークの佐藤和良・福島県いわき市議が、東電や国の責任を追及する刑事・民事の訴訟を振り返りつつ、廃炉や汚染水・処理水など福島で長期化する問題の現状を報告。中国電力が原発建設と、関西電力と共同での使用済み核燃料の中間貯蔵施設建設を計画する山口県上関町からも「上関の自然を守る会」共同代表の高島美登里さんが登壇し、「奇跡の海」と呼ぶ豊かな自然環境が損なわれる危険性を訴えた。

 京都工芸繊維大名誉教授で「老朽原発うごかすな!実行委員会」の木原壮林さんは「原発依存への暴走は、自然エネルギーに切り替えなかった政策の失敗を取り繕うためだ」と指摘。「政府や関電の原発延命策を阻止し、自然エネルギーを基盤とした地域づくりを」と訴えた。国の責任が最高裁に認められなかった原発賠償京都訴訟原告団は「裁判は負けたが、原発事故も私たちの闘いも終わらない。社会の理不尽を一人一人の力でひっくり返そう」と呼びかけた。

 京都脱原発弁護団事務局長の渡辺輝人弁護士は、京都地裁で7月に判決予定の関電大飯原発(福井県おおい町)差し止め訴訟について解説。中部電力による浜岡原発(静岡県御前崎市)の基準地震動データ不正に触れ、大飯原発訴訟でも研究者が同様の問題を証言していると紹介した。「最近の裁判所の判断は『3・11』の前の原子力安全神話に戻っている」と指摘する一方、電力会社が老朽原発の廃炉やデータ不正に追い込まれていることを「市民による監視、運動の成果」とし「私たちは前に進んでいる」と語った。

 火力発電事業者10社に二酸化炭素排出削減を求める「若者気候訴訟」の原告で京都大大学院生の横山椋大さんは原発の問題について「環境負荷の論点を抱え、高レベル放射性廃棄物という長期課題を将来世代に残す。地域の発展阻害など重い負担と分断をもたらしうる。安全対策と廃炉のコストは増大し、不確実性が非常に大きい一方、電気代上乗せで知らぬ間に国民が負担させられ、情報が不透明」と列挙した。

 そして「政府や電力会社は十分な説明と合意形成がないまま再稼働を進め、私たちが黙れば都合のいい決定を続ける。誰が決め、誰が負担し、誰が責任を負うかという社会正義、民主主義の問題だ」と指摘し、「バイバイ原発は豊かな未来を選択する合言葉だ」と結んだ。

 集いは▽国と東電に償わせる▽若狭の老朽原発をはじめ全原発の稼働・再稼働をやめさせる▽核燃料サイクル計画の失敗を認めさせる▽省エネと再生可能エネルギーで気候危機を打開する――などの決議を採択。その後、四条通から河原町通を京都市役所前(中京区)まで「京都、地球、子供を守ろう」などと声を上げながらデモ行進した。【太田裕之】

毎日新聞

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