米原油先物90ドル突破 週間上昇率は過去最大 23年9月以来高値
6日のニューヨーク原油先物市場は指標となる米国産標準油種(WTI)が大幅に続伸した。前日比9・89ドル(12・21%)高の1バレル=90・90ドルで取引を終えた。終値としては2023年9月以来、約2年5カ月ぶりの高値水準となった。一時92ドル台をつける場面もあった。
米国とイスラエルの攻撃にイランが反撃し、戦火が拡大する中、原油価格高騰に歯止めがかからない状態だ。1週間の上昇率は35・63%に上り、米CNBCによると過去最大の上昇幅だった。
トランプ米大統領は6日、自身のソーシャルメディアで「イランとの合意は無条件の降伏以外にない」と投稿。混乱収束の糸口が見つからず、市場では戦闘の長期化に対する懸念が強まっている。
イランが通過する全てのタンカーを炎上させると脅したことで、原油輸送の要衝であるホルムズ海峡は事実上の封鎖状態が続いている。こうした中、湾岸諸国では原油の生産停止や減産の動きも出始めた。原油供給に対する不安が一段と増しており、原油価格を押し上げている。
ロイター通信によると、イラクは日量150万バレルの生産を停止した。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は6日、クウェートが一部の油田で減産を開始したと報道。原油輸送の停滞で貯蔵施設が満杯になることから、生産量の調整を余儀なくされている。国内で消費できる分だけ生産する態勢とするため、数日中に更なる大規模減産を決定する方向という。
また、世界有数の液化天然ガス(LNG)輸出国であるカタールのカアビ・エネルギー担当国務相は6日、英紙フィナンシャル・タイムズのインタビューで、一連の交戦が「世界経済を崩壊させる恐れがある」と警告した。カアビ氏はホルムズ海峡の封鎖状態を念頭に、湾岸諸国が数日以内にエネルギーの生産を停止すると予測。2~3週間で原油価格が1バレル=150ドルまで急上昇するとの見通しを示した。
一方、WSJによると、イラン革命防衛隊は6日、ホルムズ海峡の通過時に米国とイスラエルの船舶だけ攻撃すると述べた。ホルムズ海峡を封鎖していないとも主張したが、従来の姿勢と矛盾するため、航行はほぼ完全に止まったままとなっている。【ワシントン浅川大樹】
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