「まぢピンチ」から「攻め」の経営へ 京都市交通局が方針転換
「守り」から「攻め」へ――。京都市交通局が経営方針を転じようとしている。
市バスでは、2027年度中に「市民優先価格」を実施し、28年度末には乗降方法を「後ろ乗り前降り」から「前乗り後ろ降り」に変える。市営地下鉄でも、新型コロナ禍で中断した、烏丸線全15駅への可動式ホーム柵の設置を再開している。コロナで利用客が激減し、「まぢピンチ」と訴えて経営改善を始めて数年。インフレであらゆる経費が上昇している中だが、大丈夫なのか……。
◇乗客数回復が支えに
まずは25年度決算見込みから。交通局財務課によると、市バスは23、24年度と続いた経常黒字に対し、運転士不足打開のための給与改定などで0・8億円の赤字とする一方、地下鉄は3年連続となる黒字を見込む(19億円)。
いずれも乗客数の回復が支えとなっており、26年度には、市バスは1日当たり35・7万人とコロナ禍前の19年度の実績まで戻ると見通す。地下鉄は42・6万人と、19年度の40万人を大きく上回って過去最多になると予想する。
「バス1日券」を値上げして最終的に廃止するといった、21年度から断行した割引乗車券の見直しも功を奏し、平均乗車単価も改善。経営の大黒柱である運賃収入が、地下鉄は26年度は過去最高の280億円に達すると見通している。
「いつまでも『お金がないから無理』と下を向いていてはだめ。松井孝治市長は『市の一般会計から応援する』と言ってくれており、お客様の快適や便利を実現し、社会課題の解決に貢献すべき時がきた」と交通局の北村信幸局長は説明する。
市バスの「前乗り後ろ降り」方式は、車内の混雑対策として採り入れ始め、コロナ禍で凍結していた。各停留所で柵や縁石の撤去、点字ブロックの移設などが必要で、総事業費は20億円。だが観光客による混雑再燃で、市全体でやるべき事業と判断され、26年度は予算の半分を一般会計(宿泊税)からもらう。
市バスは13年度まで、地下鉄は17年度まで一般会計から多額の経営支援を受け、それでも経営健全化団体に転落するなど青息吐息だった。だが、以降は支援を受けない自立経営を掲げているのでは――?
北村局長は「かつては『毎月の生活費が苦しい』から親元に助けてもらっていた。今もらっている応援は、本来の運行業務からの『上乗せ・横出し』を我々はやります、ということ」と話す。
26年度予算は、市バスは乗降方法の変更に1・8億円計上するなど、各新規事業による支出増で9億円の経常赤字、地下鉄は9億円の黒字を見込む。
◇30余年ぶり値上げも
転換は、収支を左右する運賃でも図る。バスの均一区間運賃については松井市長が2月、「市民優先価格」として現行の大人230円を市民は200円に値下げしたいと表明した。市民以外は350~400円に値上げする。
市バス乗客の市民と市民以外の割合は、24年度の調査から「1対1」。市民を30円割り引くのであれば、市民以外は260円への値上げで済むはずだが、市民優先価格の実現と同時にオーバーツーリズム対策にかかる費用を転嫁し、運行経費の上昇分を回収できる運賃にするため、350~400円への値上げが必要なのだという。
市バスの均一区間運賃は、96年9月に200円から220円に値上げして以降、30年にわたって経費の転嫁をしてこなかった(14年4月に消費税率引き上げで230円に)。バス運賃が市民生活に直結するからこそ、回避し続けた値上げに今回踏み切るのはなぜか?
北村局長は「インフレのなかで30年も値上げしていない料金はない。市長も市バス運賃だって必要な転嫁はすべきだという考えに立っている」と話す。
松井市長は24年の市長選公約で、市バスと市営地下鉄の「市民優先価格」の実現のほか、市バス運賃の値上げ回避を掲げていた。値上げ回避は就任後の2年間で達成した、と判断しているという。
市民200円から導いた、350~400円への値上げは大まかな試算。今後、国への運賃変更の認可申請に向け、27年度時点の経費などを正確に計算して算出する。松井市長は「できるだけ(値上げを)低いほうに抑えたい」としている。
◇混雑状況分かる「ポケロケplus+」
京都市交通局は20日から、乗りたい市バスが地図上でどこを走っているかや、車内がすいているのか混んでいるのかを誰でもスマホなどで確認できる情報サービス「ポケロケplus+(プラス)」を始める。2000年に導入した「ポケロケ」はバスが停留所に接近しているかどうかのみだったが、より便利になる。英語表記にも切り替えられる。
車内の混雑度は「大変混雑しています」から「空席があります」まで、赤、黄、緑、水色の4色で表示。乗客の分散を促す。28年度には、バスの走行位置や到着予定時刻とともに国際標準に準拠したデータとして発信できるようにし、各停留所でも表示できるようにする。
20日からは、市内を循環する205号系統と、観光特急バスの京都駅と銀閣寺前を結ぶEX100号系統で電気バスを走らせる。
購入したのはいすゞ製の2両。昭和の頃にも複数導入した時期があるが「脱炭素社会」への貢献に向け採用した。車両本体の価格は1両約7800万円と、約2300万円のディーゼル車の3倍超。だが、車内はエンジン音がなく静か。ディーゼル車両では、エンジンやトランスミッション機構のため、後方の座席は高い位置にあったが、「フルフラットフロア」で段差を上がる必要がない。
残るディーゼル車は808両。順次更新する必要があるが、電気バスを増やすかどうかは運行や車庫の余地などを踏まえ検討するという。【南陽子】
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