普賢岳の溶岩ドーム「平成新山」 専門家「火山活動は静穏」

2026/05/20 15:11 

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 九州大地震火山観測研究センターと島原市は18日、島原、雲仙両市にまたがる溶岩ドーム(平成新山、1483メートル)で山頂付近の噴気の温度や溶岩ドームの状態を確認する防災視察登山を実施した。火山活動の観測を続けているセンターの松島健特任教授(66)は「火山活動は静穏に推移し、活発化する傾向も見られない」との見解を示した。【添谷尚希】

 1990年11月に島原半島にある普賢岳が198年ぶりに噴火。噴火活動で普賢岳山頂のすぐ近くに溶岩ドームが出現し、96年5月に平成新山と命名された。周辺は災害対策基本法に基づく警戒区域に指定され、立ち入りが制限されている。

 一般の登山道から「立ち入りを禁じます」と示された柵を越え、人の大きさを超える無数の岩につかまり山頂を目指す。松島特任教授によると、山頂の噴気の温度は95年ごろには700度近かったが、近年は約90度で推移。有毒ガスもほとんど検知されていないと説明した。

 長崎地方気象台の担当者は、噴火警戒レベルは最も低い「レベル1(活火山であることに留意)」で、震度1未満の微弱な火山性地震が月10回程度発生しているものの、「(火山性地震は)噴火活動が活発だった90年代よりもかなり減り、静穏な状態が続いている」と話した。

 溶岩ドームの傾斜を観測している国土交通省雲仙砂防管理センターの担当者は、直下型地震が発生すると溶岩ドームは崩落する恐れがあり、事前の備えの必要性も指摘する。

 影響を受ける可能性があるのは溶岩ドームの東南東側のエリアで、島原市の防災マップで確認できる。市市民安全課の吉岡伸作・危機管理専門員は「普段から備えをして、大きな揺れを感じたらエリア外に速やかに逃げてほしい」と呼び掛けている。

 防災視察登山は島原市と九州大地震火山観測研究センター主催で毎年5、11月に実施され39回目。18日は県警、消防、関係省庁、報道など37機関から約110人が参加し、標高約1000メートルの仁田峠から平成新山の山頂付近を往復する約7時間のコースを歩いた。

毎日新聞

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