北海道新幹線談合疑い、JR北海道社長が謝罪 「重く受け止め」

2026/05/20 17:22 

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 JR北海道の綿貫泰之社長は20日の定例記者会見で、北海道新幹線の札幌延伸工事で談合の疑いが発覚したことについて、「一日でも早い開業を目指す中、重く受け止めている」と謝罪した。沿線自治体からは工事への影響を懸念する声や、価格の正当性に疑念を持つ声が出ている。

 公正取引委員会は19日、新函館北斗―札幌駅間の軌道敷設工事を巡る入札で談合を繰り返した独占禁止法違反(不当な取引制限)の疑いがあるとして、JR北の完全子会社・北海道軌道施設工業(札幌市)など9社に立ち入り検査した。

 綿貫社長は「入札の詳細を知る立場になく、調査中の事案」とし、北海道軌道施設工業に対して「全面的に調査に協力するよう指示した」と説明した。

 総事業費の試算は3兆5000億円に上る。一部を負担する沿線自治体からは懸念の声が出ており、札幌市の秋元克広市長は「工事への影響が懸念される。一刻も早く事実関係が究明されるよう求めていきたい」とのコメントを出した。

 道南自治体などで組織する「北海道新幹線建設促進道南地方期成会」で会長を務める北斗市の池田達雄市長は20日、函館市内で開かれた総会で、延伸区間の事業費が最大1兆2000億円増加した試算に触れ、「果たして1兆2000億円も実際どうなのかと思う。地元負担も発生しており、大変残念に思う」と述べた。

 価格の正当性に疑念を持たれる事態となり、綿貫社長は「疑念を持たせること自体をおわびする」と重ねて謝罪した。

 一方、財務省が4月に北海道新幹線の札幌延伸で生じる採算性を試算した結果、「基本的に中止」に該当する水準だったことについて、綿貫社長は「札幌延伸は北海道の発展と当社経営の最重要課題」と建設の必要性を強調した。

 札幌延伸予定は当初の2030年度末から8年以上遅れている。【和田幸栞、高山純二】

毎日新聞

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