安倍氏国葬の公費支出「違法でない」 奈良地裁、返還請求を棄却

2026/05/21 19:00 

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 安倍晋三元首相の国葬に、当時の奈良県知事や県議会議長が公費で参列した際の費用約9万2000円を県に返還するよう住民が求めた訴訟の判決で、奈良地裁は21日、住民側の請求を棄却した。和田健裁判長は「国葬に関する公費支出が違法とは認められない」と述べた。

 国葬は2022年9月、東京都千代田区の日本武道館で営まれた。奈良県からは当時の荒井正吾知事や岩田国夫・県議会議長が出席し、交通費や日当がそれぞれ支払われた。

 住民側は国葬について「弔意の強制であり、憲法が定める思想・良心の自由に抵触する。憲法が禁じる国家の宗教的活動にも当たる」と訴えていた。

 しかし判決は、国葬に弔意を強制する効果はなく、特定の宗教の形式によって執り行われたものでもなかったとして、住民側の主張を退けた。

 国葬の実施に根拠法令がないとする住民側の指摘についても「内閣府の事務であり、行政権に含まれる」と認め、知事や議長の参列にかかった公費は「ほぼ実費と評価できる。最小限の経費であり、社会通念上、儀礼の範囲にとどまる」と結論付けた。【喜多瑞輝】

毎日新聞

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