大崎事件再審請求 弁護団、新証拠11件提出 「誘導強く示唆」
鹿児島県大崎町で1979年に男性の遺体が見つかった「大崎事件」で、殺人罪などで服役し、第5次再審請求中の原口アヤ子さん(99)の弁護団が9日、鹿児島市内で記者会見し、供述や死因の信用性に疑義を唱える鑑定書など新証拠計11件を鹿児島地裁に提出したことを明らかにした。
このうち、共犯者とされる親族3人の供述に関する心理学者や精神科医らの鑑定書では、3人の供述に11項目で食い違いがあり、65件の不整合が確認されたという。3人には知的障害があり、供述が後を追うように不自然に変遷していることから、弁護団は「捜査機関の誘導を強く示唆している」と主張している。
また、確定判決が認定した「タオルによる絞殺」の典型的な所見がなく、内部の出血は頸椎(けいつい)損傷によるものだとする整形外科医や法医学者らの鑑定書も提出した。弁護団は「男性は事前に側溝に転落しており、事故死の可能性を裏付ける内容だ」としている。
弁護団は14日に鹿児島地裁で開かれる第3回進行協議で、新証拠に基づき供述の矛盾点などを主張する方針。弁護団共同代表の鴨志田祐美弁護士は「新証拠は質、量ともに最大で、専門性、説得性も最大級だ」と述べた。
大崎事件は、第1次再審請求の鹿児島地裁と、第3次請求の鹿児島地裁、福岡高裁宮崎支部で再審開始決定が出たが、いずれも検察側の抗告で上級審で覆った。国会で審議中の再審制度見直し法案には、検察官抗告の原則禁止が盛り込まれている。
日弁連再審法改正推進室長も務める鴨志田弁護士は「再審開始決定が出ても検察が抗告すれば、原口さんは100歳を超える。何の意味もない法改正になる」とけん制した。【藤野智成】
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