戦争ドラマ訴訟、NHK会長が見解 「裁判の中で誠実に対応」

2026/07/29 17:25 

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 NHKが2025年8月に放送した戦時下の「総力戦研究所」を題材にしたドラマでの描写が名誉毀損(きそん)に当たるとして、モデルとなった人物の遺族がNHKなどを提訴した問題を巡り、NHKの井上樹彦会長は29日の定例記者会見で「放送前、放送後も意見や懸念を伺いながら、説明や対話を重ねるなどできる限り誠意を持って対応してきたが、最終的に訴訟に至ったことは大変残念。引き続き裁判の中で誠実に対応する」と述べた。遺族は、ドラマを元に製作した映画(31日から上映予定)の公開差し止めも求めている。

 提訴した遺族は、作品の舞台になった「総力戦研究所」所長の孫で元駐仏大使の飯村豊さん。飯村さんは「係争中ということを盾にひたすら沈黙するのではなく、堂々と表に出て公開の対話をされることを希望します」などと、NHK側に対話や謝罪を求める井上会長宛ての公開書簡を21日付で送っていた。

 飯村さんは25年12月、賠償を求めNHKなどを東京地裁に提訴。今年7月には映画「開戦前夜」の公開差し止めについても追加の請求を申し立てた。訴状によると、25年8月16、17日に放送されたNHKスペシャル「シミュレーション~昭和16年夏の敗戦~」内のドラマにおいて、所長が日本が敗北する結論を覆すよう圧力をかける人物として描かれた。実際は研究所内で自由な議論を後押ししたとされ、祖父の人物像が不当にゆがめられたとしている。

 「開戦前夜」を巡っては、NHK側は映画の製作委員会に同局が入っていないことを理由に、コメントは差し控えるとしている。NHK番組の企画・制作などを行う「NHKエンタープライズ」などでつくる製作委員会は、作品について「歴史的事実に着想を得たフィクション」だと説明している。【加藤結花】

毎日新聞

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