広島市長「核兵器ない世界遠のく」 原爆の日に危機感訴え

2026/08/06 09:00 

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 広島は6日、米国による原爆投下から81年となる「原爆の日」を迎えた。広島市中区の平和記念公園で平和記念式典が開かれ、松井一実市長は平和宣言で、多くの為政者が核抑止力に依存し続け、核兵器のない世界は遠のく一方だと危機感を示した。その上で「一人一人が核兵器廃絶を理想で終わらせない国際社会を創り上げるための行動を起こす必要がある」と市民社会に呼びかけた。

 式典には過去最多の121カ国・地域と欧州連合(EU)の代表らが参列。原爆投下時刻の午前8時15分に合わせて黙とうした。

 平和宣言で松井市長は、核を脅しの道具に使った軍事侵攻や国際法をないがしろにする大国の横暴が繰り返されていると指摘。核拡散防止条約(NPT)再検討会議で成果文書が過去2回に続き不採択となった原因は「他国に責任を転嫁し自国の行動を正当化する為政者の言動にある」としたうえで、「核兵器の非人道性を軽視し、武力行使を認めることは第三のヒロシマ・ナガサキを作り出しかねない」と警鐘を鳴らした。

 日本政府には、11月に開催される核兵器禁止条約の再検討会議にオブザーバー参加し、一刻も早く締約国となるよう要望。在外被爆者を含めた被爆者援護の充実を求めた。

 首相就任後、初めて参列した高市早苗首相はあいさつで「我が国は非核三原則を堅持しており、唯一の戦争被爆国として核兵器のない世界の実現に向けた努力を続ける使命を担っている」と述べた。核兵器禁止条約には言及しなかった。

 グテレス国連事務総長は「この記念日は厳粛な追悼の日であるだけでなく、自らに問いかける時でもある」としたうえで、「分断ではなく対話を、対立ではなく協力を、無意味な競争ではなく共通の安全保障を選びましょう」などとするメッセージを寄せた。国連軍縮担当上級代表の中満泉事務次長が代読した。

 松井市長と遺族代表は、この1年間で死亡が確認された4393人の名前を記した原爆死没者名簿を原爆慰霊碑下の奉安箱に納めた。名簿の記載人数は計35万3639人となった。【井村陸】

毎日新聞

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