東海大大阪仰星FW陣、取り戻したセットプレーの強さ 高校ラグビー
◇全国高校ラグビー大会準決勝(5日・東大阪市花園ラグビー場)
◇○東海大大阪仰星(大阪第2)29-26常翔学園(大阪第3)●
東海大大阪仰星はここまで展開力を生かした試合が目立っていたが、この日はFW陣のセットプレーの強さが際立った。
前半5分、東海大大阪仰星は相手陣中央のゴールラインまで約5メートルの位置で反則をもらった。PGで先取点を狙ってもいい場面だが、スタンドオフ(SO)吉田琉生はボールをタッチラインに蹴り出した。モールで勝負することを選択したのだ。
「任された」。ボールを投げ入れるフッカー浜田素良(もとよし)は、いつも以上に気合が入った。ただ、やることはシンプル。リフトの上に跳んだフランカー西絃太にタイミングを合わせてボールを送り、モールを組む。意識したのは力強く1歩目を踏み出すことだ。その勢いのままインゴールまで一直線になだれ込み、最後は浜田が先制のトライを決めた。
5点を先取し、追いつかれた後の前半22分にも再びラインアウトからモールで押し込みリードを奪った。浜田は「今日の相手はセットプレーが特に強く、FWが前に出ないと勝てない。モールで点を取るのはこの試合の目標だった」と言う。試合終了間際に立て続けにトライを許す猛追を受けたが、最後は3点差で逃げ切った。
初戦の佐賀工戦ではラインアウトでのミスが目立ち、後半残り10分でようやく逆転した。終わってみれば4点差での勝利。意表を突こうとトリッキーなサインプレーを試み、失敗しては焦る悪循環に陥った。浜田は「自分たち(FW)が色気を出していた。FWがセットプレーで足を引っ張っていた」と振り返る。
湯浅大智監督から常日ごろ言われてきたのが「基礎・基本の徹底」だ。準決勝に向けて基本を見つめ直し、ミスの多かったセットプレーを立て直した。浜田も「自分たちがいつもしているのはほとんどが基礎の練習。そこを徹底したから勝てたんだと思う」と自信ありげだった。
決勝の相手は前回王者の桐蔭学園(神奈川)。大一番を前にFW陣の自信を取り戻せたことは何より大きい。【吉川雄飛】
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