「思うような相撲できなくなった」 横綱・照ノ富士が引退会見

2025/01/17 15:15 

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 大相撲の第73代横綱・照ノ富士(33)=本名・杉野森正山、モンゴル出身、伊勢ケ浜部屋=が17日、現役を引退した。東京・両国国技館で師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱・旭富士)とともに記者会見した照ノ富士は「今場所、思うような相撲ができなくなり、これ以上、中途半端な気持ちと体で土俵に立つべきではないと思った」と語った。

 日本相撲協会は17日の理事会で、照ノ富士の引退と年寄「照ノ富士」となることを承認した。

 慢性的な両膝痛や糖尿病に苦しむ照ノ富士は、3場所ぶりに復帰した12日からの初場所(東京・両国国技館)で4日目を終えて2勝2敗で、右膝と腰の痛みで5日目の16日から途中休場した。照ノ富士は「今まで体と付き合いながら、まだ優勝できる自信を持って相撲と取ったが、今場所前の稽古(けいこ)内容を踏まえ、不安を感じていた。精いっぱいやりたいと思っていたが、結果がつながらなかった」と、初日を終えて引退に気持ちが傾いていたことを明かした。

 モンゴルから鳥取城北高に相撲留学で来日した照ノ富士は、2011年5月の技量審査場所で初土俵。初の幕内優勝を果たした15年夏場所後に大関に昇進した。その後に左膝の故障に苦しんで大関から転落し、糖尿病の影響もあって休場を重ね、19年春場所には序二段まで落ちた。リハビリを経て再び番付を上げ、3回目の優勝を飾った21年春場所後に大関復帰。この年名古屋場所後に横綱に昇進した。

 幕内優勝は通算10回。横綱在位は21場所だった。21年8月には親方になる条件の日本国籍を取得していた。【岩壁峻】

毎日新聞

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