同志社大ラグビー部、脱低迷へ 「マイ便器制度」で磨く自立心
マイバッグ、マイボトル、マイ箸――。冠に「マイ」と付くものは数多くあれど、これは聞いたことがないだろう。その名は、「マイ便器」。関西大学Aリーグ(1部)の同志社大ラグビー部の新4年生が「マイ便器制度」なるものを考案し、今季から実践している。
ラグビーグラウンドがある京田辺キャンパス(京田辺市)近くの寮に住む新4年生約15人が、3階までの各階にあるトイレの自分の「担当」便器をそれぞれ決め、清掃を担うという。便器上部には「担当者」を示す名前のシール。主務の小林弦英(4年)は「汚れているなと思ったらその都度、ブラシやウエットティッシュで掃除します」と言う。
背景には、近年の低迷がある。そもそも大学ラグビー界屈指の名門大だ。元日本代表監督で、「ミスターラグビー」と呼ばれた平尾誠二さん(2016年死去)らを擁し、1982~84年度には全国大学選手権を史上初の3連覇。関西リーグ優勝は最多の48回を誇る。だが、関西リーグは2015年を最後に優勝はなく、23年には7戦全敗で最下位となり入れ替え戦に回った。24年も2勝止まりで、今、同大ラグビー部は低迷期のまっただ中にある。
◇チームの一体感醸成目指す
そこで、この新制度だ。「自分の便器が汚れていれば、自分のせい。4回生としての『責任』を行動で示すためにみんなで話し合って決めた」と小林。下級生に任せがちだった雑務を4年生がすることで、下級生からの信頼を得て、チームの一体感を醸成させたいという。
そして、狙いはもう一つ。SH石田太陽副将(4年)は「(昨季まで)ラグビーも自分たちのやりたいことしかやっていないというか……。『かっこいいラグビーをやりたい』だけで、『やるべき』ことができていなかった」と振り返る。サインプレーやキックプレーなど、代表やリーグワンの選手たちがするトップレベルのプレーに憧れ、まねするが、肝心の基礎、基本がおざなりになっていた。
進んでやりたくなくても、やらなければならないことは、ラグビーでも社会においてもどこにでもある。それはラグビーの基礎練習であり、日常生活におけるトイレ掃除、というわけだ。
また、それまで下級生の仕事だった練習後の後片付けも、新チームが発足した昨年末からは4年生がしているという。グラウンド内外で、最上級生が自ら進んで雑務を担う。石田は「私生活でもやるべきことをやれば、人間的にも成長できて、自信とかもついてくるのかな」と強調する。
その石田は、東海大大阪仰星高出身で花園優勝メンバーの一人。他の選手も東福岡や大阪桐蔭、常翔学園など花園優勝経験のあるそうそうたる高校の出身者が多い。そんな「ラグビーエリート」たちが悩み、もがき、生まれた新制度。便器とともに自立心を磨き、名門復活の第一歩とする。(学年は新年度表記)【大東祐紀】
◇同志社大ラグビー部
慶応大、旧制京都三高(京都大)に次いで古い1911年創部。61年度に日本選手権の前身、NHK杯で社会人覇者の近鉄を破って初の日本一。63年度の第1回日本選手権も制した。全国大学選手権は80年度に初優勝し、82~84年度の3連覇を含めて計4回優勝。主なOBに、国際統括団体ワールドラグビーで日本選手初の殿堂入りをした坂田好弘さん、元日本代表監督の萩本光威さん、平尾誠二さん、元日本代表の大八木淳史さんら。
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