左右で最速150キロ台の剛腕ぞろい 選抜での最速記録更新なるか
センバツ最速更新なるか――。18日に開幕する第97回選抜高校野球大会の出場校への取材や大会本部が選手に実施したアンケートをまとめると、最速150キロ台の投手は5人(2月末時点)。大会最速の153キロを超える剛腕は現れるか。
◇150キロ台は5人
センバツ大会でスコアボードの球速表示が始まったのは、2004年の第76回大会からだ。これまでで大会最速の153キロを計測したのは、第80回大会(08年)の宇治山田商(三重)の平生拓也投手と、第84回大会(12年)で優勝した大阪桐蔭の藤浪晋太郎投手の2人だ。
夏を含むと甲子園大会での最速は155キロ。07年夏に仙台育英(宮城)の佐藤由規投手、13年夏に済美(愛媛)の安楽智大投手がマークしている。
今大会の出場校の中で、最も記録更新に近い存在に挙げられるのが健大高崎(群馬)の右腕・石垣元気投手だ。昨秋の関東大会の佐野日大(栃木)との準々決勝で158キロを計測した注目の本格派。球速表示に本人は「たぶん間違い」と振り返り、アンケートでは「154キロ」と回答した。150キロ超を連発するだけに記録更新の期待は高く、春夏含めてトップに並ぶ155キロを目標に掲げている。
石垣投手に続くのが、最速152キロを誇る2人だ。智弁和歌山の右腕・宮口龍斗投手は昨秋の和歌山大会決勝で自己最速を3キロ更新して150キロの大台に到達した。183センチの長身から常時140キロ台半ばの直球で押す。昨秋は全6試合に救援で登板し、防御率0・00という抜群の安定感を誇った。
高松商(香川)の右腕・高橋友春投手は、昨秋の四国大会直後の練習試合で152キロをマークしたという。身長181センチ、体重85キロのがっちりとした体格で伸びしろも十分。昨秋の公式戦では2試合で計2回の登板にとどまったが、一冬を越えてブレークの予感を漂わせる。
横浜(神奈川)の右腕・織田翔希投手は1年生ながら、すでに最速は151キロに到達した。身長185センチ、体重75キロと細身ではあるが、威力のある直球に加えて変化球のキレや制球面での完成度は高い。世代をリードする逸材で、甲子園でどのような投球を見せるか。
最速150キロを誇る沖縄尚学の末吉良丞(りょうすけ)投手も1年生で楽しみな左腕だ。身長175センチ、体重89キロの体格からの直球は力があり、昨秋は5完投という力投でチームを九州王者に導いた。
最速が140キロ台後半でも好投手は多い。東洋大姫路(兵庫)の阪下漣投手と高松商の行梅(ゆきうめ)直哉投手は147キロ、横浜の左腕・奥村頼人投手は146キロの最速を誇る。
春のセンバツは寒さが残るため球速が上がりづらいとされるが、今回は速球派が多いだけにバックスクリーンの球速表示にも注目が集まる。【まとめ・長宗拓弥】
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