京都成章、伝統の「ピラニアタックル」に手応え 高校選抜ラグビー

2025/03/31 17:00 

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 ◇第26回全国高校選抜ラグビー大会決勝 ○桐蔭学園(神奈川)36―0京都成章● (31日、埼玉・熊谷スポーツ文化公園)

 悔しさを胸に走り出したチームが、全国の頂点が見える位置まではい上がった。初優勝とはならなかったが、京都成章は伝統の「ピラニアタックル」で一つ結果を残した。

 花園王者の桐蔭学園に真っ向から挑み、後半開始直後にはタックルからボールを奪って敵陣深くへ迫った。ロック土肥祐斗は「完敗」と悔しがりつつ、「自分たちのタックルが全国で通用する感触はあった」と手応えもつかんだ。

 花園出場を目指して臨んだ2024年11月の京都府予選決勝。ライバルの京都工学院に敗れ、連続出場は「10」で止まった。新チームが求めたのが、伝統の堅守だった。

 京都成章が目指す防御は、複数の選手が群がるように素早くタックルを仕掛け、しぶとく離れないというもの。肉食の淡水魚になぞらえて「ピラニアタックル」と呼ばれる。

 フッカー米本啓太朗は「去年負けて、(強さを取り戻すため)ピラニアタックル復活への気持ちは強い」と語る。タックル動作をゆっくり繰り返し、体に記憶させる練習を積み重ねてきた。

 今大会では準々決勝で京都工学院を破って冬の雪辱を果たし、準決勝も攻撃型の東福岡にわずか1トライを許しただけで勝利した。

 決勝は終盤で相手の底力に圧倒されたが、関崎大輔監督は「内容はそこまで悲観するものではない。ここで終わりじゃない」。敗北を乗り越え、原点に立ち返った京都成章の新しい歴史が進み始めた。【川村咲平】

毎日新聞

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