断熱ソール、2部制にサマータイム… 夏の高校野球は各地で暑さ対策
夏の甲子園出場を懸けた高校野球の地方大会が佳境を迎える中、全国各地で猛暑が続き、チームや大会主催者は対策に苦慮している。野球道具の見直しや、開催時間で「完全2部制」や「サマータイム」を採用するなど試行錯誤を重ねている。
◇対策は足元から
高校野球では暑さ対策のため、2020年から選手が履くスパイクは黒色だけでなく、白色の着用が認められている。
各校で白色が主流になる中、スパイクの内部にも着目したのが19年夏の甲子園覇者の履正社(大阪)だ。選手たちは今夏から、断熱効果のあるインソール(中敷き)を使用している。足の裏に熱を伝えにくい素材が使われたソックスも着用している。
内野手の辻琉沙選手(3年)は「足がつることがあるので足元の暑さは気にしているが、(断熱の)中敷きがあるとそこまで暑さを感じなかった」と効果を実感していた。
大阪大会は例年、天然芝の大阪シティ信用金庫スタジアム(大阪市此花区)を主会場としてきたが、今夏は大阪・関西万博の影響でGOSANDO南港野球場(大阪市住之江区)を中心に開催されている。
南港野球場は人工芝で、土や天然芝に比べて日差しの暑さを吸収しやすい。履正社のチーム内では春季大会で地面からの熱気を気にする声が上がっていたといい、足元の暑さ対策を進めることにした。
多田晃監督は「他の球場でも(夏は)試合の終盤になると暑さがしんどい、と毎年(選手たちが)言っている。中敷きとソックスは暑さ対策に効果的か、みていきたい」と話す。
ユニホームや帽子、ヘルメットを白色を主としたデザインに切り替えるチームがあるなど、対策は広がってきた。
今夏の甲子園大会では、審判もこれまでの黒や紺色ではなく、白色を基調とした帽子を着用する。
◇2部制実施も課題
大会の運営側も模索が続く。昨夏の甲子園大会の序盤に初めて導入され、今夏も採用される朝夕の2部制に踏み切った地方大会もある。
富山大会と三重大会は全日程で2部制を導入した。
富山大会は1~3回戦を4会場で実施し、1会場当たり2試合ずつ組むことで2部制を可能にした。第1試合を午前9時、第2試合を午後3時の開始予定とした。三重大会は第1試合を午前9時、第2試合を午後3時半開始としている。
一方、試合間のインターバルの長い2部制は、運営側に長時間の対応が求められ、会場が増えることで運営人員の確保もネックになる。
富山県高校野球連盟の高橋英司理事長は「選手の健康を第一に2部制へ踏み切ったが、大会役員は午前6時から午後6時まで拘束されてしまっている。運営側も2部制にしたいが、現状は難しい。役員の協力のおかげで運営できている」と明かす。
◇給水に日よけ……
他の地域では、第1試合の開始時間を涼しい早朝に前倒しした例もある。
愛知大会は暑さのピークを避ける「サマータイム制」を導入した。18日の3回戦と21日の5回戦以降は第1試合を午後2時、第2試合を午後4時半開始とした。
夏の甲子園では五回終了後に選手が体を冷やしたり、水分を補給したりする「クーリングタイム」が23年に導入されたが、他のイニング間にも数分の給水時間を設ける地方大会も多い。
長崎大会は今夏から三回と七回に3分ずつ、休憩時間を設定した。隣県の佐賀大会で昨夏実施した対策を参考に、ベンチに布などで日よけを取り付け、直射日光を避けている。
長崎県高野連の藤本利治理事長は「各地で進む対策を参考に試験的に実施した。賛否はあると思うので、大会後に効果を検証し、加盟校の意見も聞きながら、対策に生かしていきたい」と語る。
深刻さを増す酷暑とどうやって向き合うか。ハード、ソフトの両面で対策が求められている。【吉川雄飛、長宗拓弥】
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