球宴らしいプレー、振る舞い随所に 劣勢でも全セ盛り上げ

2025/07/24 21:31 

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 ◇◯全パ10―7全セ●(24日・横浜スタジアム)

 序盤に大量リードを許したことが響き、終盤の猛追むなしく敗れた全セ。その一方で、球宴らしい、思わず笑顔になるようなプレー、振る舞いで盛り上げた。選手がマイクをつけてプレーする試みもあった。

 先発の村上頌樹(阪神)で言えば、再三見せた山なりのスローボールだ。一回無死一、二塁で山川穂高(ソフトバンク)に対し、64キロの山なりのボールを投じて空振りを奪う。2球目も続けて遊飛に打ち取った。その後も数回投げ、球場を沸かせた。

 村上はその後、打ち込まれ、二回2死一塁の時点で6失点の大炎上。すると、ベンチからチームメートの大山悠輔がタオルを、近本光司が水を持ってマウンドに駆けつけ、笑いを誘った。村上は「(マウンドに)2人来てびっくりした。『大丈夫か』と言われ、助けてくださいと言った」という。

 今回のオールスター戦は、中継を担ったテレビ朝日の提案で、選手にマイクをつけてもらい、プレー中の声を放送中に流す試みが行われた。牧秀悟(DeNA)がマウンドの相手投手やアナウンサーらとの掛け合いを披露するなど、複数の選手が担当した。

 米大リーグのオールスター戦では既に行われている。牧は試合後、「新鮮でした。(取り組みとして)良いと思います。投手は投げづらそうですけど、野手は守備でも意外といけるもんだなと思いました」と手応えを感じていた。ネット上では「面白い」といった好意的な声もあれば、「そういうことじゃない」という否定的な反応も見られた。

 真剣勝負の場でもあるが、和名の「球宴」のごとく、「宴(うたげ)」の場でもあるのがオールスター戦。新型コロナウイルス禍で中止となった2020年を除き、1951年から毎年開催されてきた歴史もある。その意義づけやあり方について考えさせられる一戦となった。【岸本悠】

毎日新聞

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