「取っちゃいました」 球宴MVPの清宮幸太郎、サイクル安打に王手も

2025/07/24 23:02 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 ◇○全パ10―7全セ●(24日・横浜スタジアム)

 右へ、左へセンターへ。まさに「清宮劇場」だった。日本ハムの清宮幸太郎がサイクル安打に王手をかけるなど自慢の打棒を遺憾なく発揮し、球宴最後の夜を彩った。

 1打席目から全セの先発・村上頌樹(阪神)の直球を左前にはじき返すと、山本大斗(ロッテ)の二塁打で2点目のホームを踏んだ。

 これで勢いに乗った。2打席目は2死一塁からセンターへフェンス直撃の適時二塁打。四回の第3打席ではセ・リーグのファンが陣取った右翼席へ完璧なソロをたたき込んだ。

 サイクル安打へ残るは三塁打。「めちゃくちゃ狙っていた」と本人も気合十分だったが、第4打席は右飛。「ラストチャンス」となった九回の第5打席も一飛に倒れた。「『持ってねーなー』って思いました。打ちたかったです」と悔しさをあらわにした。

 清宮を燃え上がらせたのは試合前のホームランダービーだ。決勝で牧秀悟(DeNA)に1本差で敗れた。「ダービーも勝てたら良かったけど、試合で取り返したかった」。一発を放ち、2022年以来2度目の出場で自身2度目の最優秀選手(MVP)に輝いた。

 「今回も取れるとは思っていなかった。でも取っちゃいました。(賞金300万円の使い道は)私利私欲。良い使い方をしたいです」

 ちゃめっ気たっぷりに球場を後にする姿は、「千両役者」そのものだった。【牧野大輔】

毎日新聞

スポーツ

スポーツ一覧>