◇◯ＤｅＮＡ６―２巨人●（１１日・横浜スタジアム）

　ポストシーズンの大事な初戦。主軸として求められる仕事をＤｅＮＡの４番打者は誰よりもよく理解している。筒香嘉智が２本塁打を含む４安打３打点の大暴れ。これが４番だと言わんばかりの豪快なスイングで巨人を圧倒した。

　まずは二回の第１打席。豪快な先制ソロを右翼席にたたき込んだ。三回の第２打席では追加点となる適時打を放って序盤からチームを勢いづけた。

　この日の筒香はこれで終わらない。圧巻だったのが六回の第３打席。長打を警戒し、相手バッテリーが外角中心に攻め立てる中、７球目の外角高めの直球をはじき返すと、高々と上がった打球はレフトのポールを直撃した。「審判のジェスチャーでようやく気づいた」という本人も驚きの一発で、球場内がどよめいた。

　これでＣＳ通算８本塁打となり、ウッズ（中日）と並んでセ・リーグ最多タイとなった。打点も通算１７打点に伸ばし、巨人の阿部慎之助監督らと並んでリーグ最多タイだ。「周りの方々に感謝したい」と謙遜するが、かつてのように相手にプレッシャーを与える勝負強さを取り戻している。

　１０日の前日記者会見で筒香を「キーマンの一人」として挙げた三浦大輔監督は「グッと流れを引き寄せてくれた」とご満悦の様子。筒香は「気を引き締めて、明日は新しい一日として試合に入りたい」。欲張らず、黙々と仕事を果たそうとする姿が何よりも頼もしい。【牧野大輔】