阪神・近本光司、勝利呼んだ三盗 恐怖と闘い、先制のホーム踏む

2025/10/16 07:30 

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 ◇○阪神2―0DeNA●(15日・甲子園)

 恐怖と闘い、勇気を持って一手を打った。阪神の近本光司が六回に三盗を決め、試合の流れを変えた。

 両チーム無得点の六回、ここまで2打席凡退の先頭、近本が遊撃への内野安打で出塁した。無死から俊足の近本が出たことで攻撃の手は増える。続く中野拓夢の犠打で近本は二塁へ。

 DeNAの先発・東克樹の、3番・森下翔太への初球だった。近本がするするっと三塁方向へ。一瞬、時が止まったかのようだった。近本はいったん、スピードを緩めた。その時の心境について「びびるんで無意識に止まっちゃう」と明かす。東が捕手に向かって投球しない可能性があることへの怖さから、自然と体に反応が出たという。

 そこから一気に加速した。捕手の山本祐大はボールが手につかない。東は三盗が頭にあったというが、「初球からしてくるとは思わなかった」と話す。近本が意表を突いた形だ。

 そして森下が3球目を中前へはじき返し、近本が先制の本塁を踏んだ。森下は「チカ(近本)さんに三盗してもらってすごく楽になった。犠牲フライでオッケーの気持ちでゾーンを上げて自分のスイングを心がけた」と振り返った。

 近本は試合後、「その(三盗の)でかさは(CSを)突破してから分かること」と語った。レギュラーシーズンと変わらず、冷静だった。【荻野公一】

毎日新聞

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