元阪急・山口高志さんが始球式 「こんな機会は最後やろ」 日本選手権

2025/10/30 20:22 

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 第50回社会人野球日本選手権は30日、京セラドーム大阪で1回戦があり、第1回大会(1974年)に松下電器(現パナソニック)のエース右腕として出場し、後にプロ野球の阪急(現オリックス)で活躍した山口高志さん(75)が第3試合の始球式に登場した。

 山口さんは振りかぶって投球したが、捕手のミットにおさまる直前でワンバウンドした。「力みましたね。直前のアナウンスで速い球を投げていたと紹介されたので、山なりは放れないなと……。『もう、こんな機会は最後やろ』と思いながら楽しみました」と笑みを浮かべた。

 山口さんは兵庫・市神港高のエースとして1968年の甲子園大会に春夏連続出場。72年に関西大を全日本大学選手権優勝に導き、翌年に松下電器に入社した。74年の都市対抗では堺市・新日鉄堺の補強選手として、33イニング連続無失点をマークし、特別賞の小野賞に輝いた。その年の日本選手権の第1回大会では初戦敗退に終わったが、社会人野球の舞台で鮮烈な印象を残した。

 75年に阪急に入団し、速球派投手として活躍。現役引退後は阪神や関西大で指導者を務めるなど、後進の育成に力を注いできた。「(社会人野球は)プロとは違った高揚感、緊張感がある。上のステージで野球を続けられる選手は数少ないが、一人でも多くの人に次のステージを狙ってほしいですね」とエールを送った。

 今大会は第50回の記念事業の一環で、社会人野球出身の元プロ選手が「レジェンド始球式」を行っている。【長宗拓弥】

毎日新聞

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