ピッチコム、ピッチクロック…投手陣に進歩 侍ジャパン、韓国と試合

2025/11/16 23:13 

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 ◇韓国―日本(16日・東京ドーム)

 来年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で連覇を目指す野球日本代表「侍ジャパン」にとって貴重な実戦機会となった韓国との2連戦。投手陣にある程度のめどが立ったことが収穫と言えるだろう。

 五回に3番手で登板した今季セ・リーグのセーブ王、松山晋也(中日)は1安打されたものの1回無失点。10日の広島との練習試合で2回3分の2を投げ、9失点と大炎上した左腕・隅田知一郎(ちひろ)=西武=も六回に4番手で登板し、2四球ながら1回無失点と意地を見せた。

 過去の大会でも、日本の投手陣は、プロ野球とは感覚の違うボールへの適応を迫られてきた。それに加えて今回は、投球間隔を制限する「ピッチクロック」や、バッテリー間のやり取りで使うサイン伝達機器「ピッチコム」にも対応しなくてはならない。

 隅田は広島戦での大量失点について、ピッチクロックやピッチコムに慣れていなかったことを理由に挙げていたが、この試合では進歩が見られた。

 前日の第1戦は6投手中4投手が無失点と及第点。井端弘和監督も試合後の記者会見で、ピッチクロックやピッチコムへの対応について「投手も捕手も余裕が出てきたところは非常に良かった」と安心した表情を見せていた。

 WBC本番では米大リーグ組の合流が予想されるが、彼らだけで野球はできない。日本の伝統的な強みである投手力を発揮するには、国内組の安定が不可欠だ。【岸本悠】

毎日新聞

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