三井住友海上のルーキー・不破が6人抜きデビュー クイーンズ駅伝

2025/11/23 22:08 

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 ◇全日本実業団対抗女子駅伝(クイーンズ駅伝、23日・松島町文化観光交流館前~弘進ゴムアスリートパーク仙台)

 ◇3区区間6位・不破聖衣来(三井住友海上、34分0秒)

 三井住友海上の注目ルーキー・不破聖衣来(せいら)が、各チームのエースの集う最長3区で6人抜きの快走を見せ、実業団駅伝デビューを飾った。

 駅伝、個人種目含めて鮮烈な印象を残した2021年を思い起こさせるレース運びに「しっかりと駅伝を楽しみながら走ることができた」と笑顔で話した。

 トップから57秒差の11位でたすきを受けた。「周りを気にせず自分が今出せる力を出すことだけを考えた」と焦らず入り、後半にペースアップ。チームの順位を5位まで押し上げた。流れに乗ったチームは4位と躍進し、6年ぶりにシード権を獲得した。

 日本女子長距離のホープは、ここ数年、けがに泣かされてきた。

 拓殖大1年だった21年、女子1万メートルで日本歴代2位(当時)となる30分45秒21をマークして翌年の世界選手権参加標準記録を突破。21年は全日本大学女子駅伝で6人抜き、全日本大学女子選抜駅伝で10人抜きの快走を見せた。しかし、22年以降は度重なる脚の故障で、国内主要大会の出場を見送ってきた。

 社会人1年目の今季も9月中旬に右足首を故障し、10月の予選会を回避した。それでも、焦ることなく今大会に照準を合わせた。不破は「社会人になってから、より体のケアに気を使うようにした。故障が長引かなくなった」と胸を張る。

 期待の新人の快走に鈴木尚人監督は「顔色が良かったので、やるんじゃないかと思っていた。不破が主要区間を走れるようになったことは大きい」と目を細めた。

 三井住友海上は大会史上最多の7回の優勝を誇る名門だが、09年の優勝を最後に低迷が続く。来年以降も不破が故障なく走れれば、名門復権の重要なピースになりそうだ。【高橋広之】

毎日新聞

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