フィギュア 鍵山、佐藤が相次いで投入を探る「4回転フリップ」とは

2026/02/13 08:00 

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 ミラノ・コルティナ冬季オリンピックのフィギュアスケートは13日(日本時間14日未明)に男子フリーが行われる。10日のショートプログラム(SP)で2位につけた鍵山優真選手(オリエンタルバイオ・中京大)と9位発進した佐藤駿選手(エームサービス・明大)が相次いでフリーへの投入を模索するのが、4回転フリップだ。

 4回転フリップは2016年4月に日本の男子の宇野昌磨さんが、北米・欧州・アジアによる3大陸対抗戦「コーセー・チームチャレンジカップ」で着氷。国際スケート連盟(ISU)の公認大会で史上初めて4回転フリップを成功させた。

 女子では19年のジュニアグランプリ(GP)ファイナルでアレクサンドラ・トルソワ選手(ロシア)が初成功させている。

 各要素に基礎点が設定されている現在のルールで、4回転フリップの基礎点は11点。これは4回転ではクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)の12・50点、4回転ルッツの11・50点に次ぐ3番目の高さの点数となる。

 反時計回りでジャンプを回る場合、左足のエッジ(刃)の外側で踏み切るのがルッツ、内側で踏み切るのがフリップで、スケーターによって得意、不得意が分かれやすいという。

 鍵山選手は昨季、フリーで4回転フリップを組み込んだ3種4本の4回転ジャンプの構成でシーズンを送っていたが、演技内容が不安定だったことから今季はトーループとサルコウの2種3本構成で完成度を高めることに重点を置き、シーズンを送ってきた。

 だが、年明けから「攻めにいく」と4回転フリップの投入を明言してきた。現地でも軽やかに着氷する場面が多く「感触は良い」と手応えを語る。2本目のジャンプに組み込む予定で今季初の3種4本構成となる。

 佐藤選手は昨季、もともとの武器である4回転ルッツだけでなく4回転フリップもフリーに組み込むプログラムで臨み、昨年3月の世界選手権では日本選手としては初めていずれも着氷。だが、フリップは誤った踏み切りと判定されて減点され、「同時成功」はお預けとなった。

 今季も当初はいずれも組み込む予定だったが、オフシーズンのアイスショーで右足首を故障した影響もあり、今季はルッツとトーループの2種3本の4回転ジャンプの構成でシーズンを送ってきた。

 1月のインカレ(日本学生氷上選手権)で着氷後に体勢を崩すも、故障後初めてフリップを試行した。この時点では3月の世界選手権(チェコ)への下準備という位置づけだったが、今大会で団体男子フリーの6分間練習でも着氷し、個人のフリーへ前倒し投入の可能性も示唆している。

 高難度の4回転ジャンプの本数を増やせば、失敗のリスクは高まるが、得点の上積みも期待できる。

 サルコウ、トーループ2本の2種3本の4回転ジャンプの構成でシーズンを戦ってきた鍵山選手のフリー今季最高は193・64点。4回転フリップを組み込めば大台200点はもちろん、自己ベスト208・94点も見えてくる。

 ルッツ、トーループ2本の2種3本の4回転ジャンプ構成で戦ってきた佐藤選手は8日の団体戦で自己ベストを更新する194・86点をマークした。こちらも4回転フリップを含めて全て決まれば、大台の200点超えがグッと近づく。

 SPで首位に立った世界王者のイリア・マリニン選手(米国)は超大技の4回転半ジャンプはもちろん、ルッツ、フリップでも高い加点を引き出すことができる強敵。だが、日本勢も自身ができる最高難度の構成で食らいついていく。【ミラノ倉沢仁志】

毎日新聞

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