短かった沖縄尚学・末吉の春 「要所で三振が…」 センバツ
◇選抜高校野球1回戦(19日、阪神甲子園球場)
◇○帝京(東京)4―3沖縄尚学●
沖縄尚学のエース左腕・末吉良丞(りょうすけ)の春はあまりにも短かった。
「これがチームの現状。要所で三振が取れなかったのが敗因だった」
淡々と敗戦を受け入れた。
独特の緊張感が漂う開幕試合で先発マウンドに上がり、気持ちのこもった投球でチームを引っ張った。
強打を誇る帝京は1番に看板打者である安藤丈二を起用。一回の先頭でいきなり対峙(たいじ)した。
「オリャー」
3球で追い込むと、雄たけびを上げ、力強く腕を振った139キロの直球で空振り三振を奪った。昨夏の甲子園優勝投手の威厳を見せつけるかのように。
「良くなかった」と言うが、尻上がりに調子を上げた。
140キロ台中盤の直球と得意球のスライダーで的を絞らせなかった。チェンジアップも効果的で「投球の幅が広がった」と収穫を口にした。中盤は制球を乱して再三のピンチを背負ったが、切り抜けた。
だが、1点リードの八回、守りのミスと四球で無死満塁とした。
三振を奪って1死としたが、続く打者に直球をはじき返された。逆転を許し、力尽きた。
優勝した昨夏の甲子園以降は周囲の期待を背負う中で不調に苦しんだ。
「周りが思っている以上に自分ができることは少ない」
周りの声をシャットアウトし、「自分のできることをやろうと思った」
自らを見つめ直し、本来の力を取り戻して迎えたセンバツだったが、八回途中4失点、5安打、9奪三振。ほろ苦い結果に終わった。
「自分一人で野球をやるわけではない。味方のミスがあっても抑えられる投手になりたい」
大会屈指の左腕はそう誓い、甲子園を後にした。【村上正】
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